少年の誤解と少女の挽回 ページ34
急に大きい声を出したからか、ギンははぁはぁと少し息を乱している。
「ボク…あんな物出して…困らせたくないニャン…」
ニャーちゃんクッションをぎゅっと抱き締め、ギンは不安気に呟いた。
そんな彼を励ますように、「一人で思い悩んじゃダメだ 」とサラが優しく声をかけた。
「私はギンを信じる。どんなに変な物が出てきても私がなんとかしよう」
ギンと目を合わせ、ふっとサラが笑う。様になるよね、ホント。
サラの言葉に勇気付けられたのだろう、ギンは意を決した様に「わかったニャン…!」とサラの顔を見上げ頷いた。
「筋肉ゴリラにレコ姉ちゃんが怒鳴られてイライラしたニャン!」
「言っとくがゴリラは褒め言葉ぜよ!」
すっかり調子を取り戻し、いつも通り悪態を付くギンと、それに反応するQ太郎。
それを見て確信した。やはり少しずつ他人じゃなくなっていく。
「ボクもサラ姉ちゃんを信じるワン!」
声を高らかにして、ギンが言った。
そしてギンは、遂に探索時に見つけた"すごい物"について話始めた。
本人曰く、"すごい物"とはシュレッダーの中に入っていた手で千切られた紙の事らしい。
「そ…そこにかいてあったワン…」
ごくり、とギンは息を飲んだ。
「サラ姉ちゃんが…殺人犯だって…」
「「…え?」」
あ、サラとタイミング被っちゃった。そしてホエミー。口元を押さえてくるの何?あと肩がっしり掴まないで痛い。
「誘拐犯側のあなたがそんな反応したら、違うって思考に傾いちゃうでしょう」
こそっとホエミーが囁いてきた。あ、そういうこと?
「ごめんごめん、ビックリしてつい…」
微笑を浮かべて誤魔化すと、彼女は一つため息を吐き、ようやく手を離した。
まあ、私のリアクションなんて気にも止めず、皆はガヤガヤ騒いでいるようだけど。
「この紙を見てくれ、私が手に入れたものだ」
サラが声を上げると、皆は彼女の方を向き、静まり返った。
恐るべしサラパワー。
「ニャニャ!?この紙って!」
「ギンの持ってた紙と似てるな」
サラは手に持った自分の持っていた紙とギンの持っていた紙を交互に見た。
「似てるワン!そっくりワン!」
「見てて。左の紙をどけて…」
サラは言った通り千切れた紙の左側をどけ、自分の持っていた千切れた紙を繋げた。
「ニャニャ…!?繋がったワン!!」
「少なくとも二枚以上の束になっていたわけだ」
なるほど、重ねて千切れば確かに同じ様になる。
間違った方を繋げて誤解しても仕方がない、とサラも言った。
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春雨(プロフ) - ましゅ2。さん» コメントありがとうございます!!楽しんで頂けて光栄です!! (2019年6月30日 19時) (
レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ2。(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！夢主ちゃん可愛いですし、お話大好きです！更新頑張って下さい！ (2019年6月30日 15時) (レス) id: 39489186ea (このIDを非表示/違反報告)
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