疑心暗鬼のメインゲーム ページ32
「だが死にたいと考えるには十分な動機もある」
カイの言葉に対して、ケイジは反論とも取れることを言った。
「と、とりあえず選ぶのは無しだろ…!?」
レコが焦ったように言った。
身代だから、投票される為にわざとあんな発言を…?
カンナは中学生だ。ごく一般的な中学生。飛び抜けて頭の良い秀才だと言うのならまだ分からなくも無いが、彼女に限ってそんな頭脳戦を挑むなんてとてもじゃないけど思えない。
誰かが入れ知恵した…?
チラリとソウの方に視線を移せば、見事に彼と目があった。
彼はいつもと同じ薄っぺらい笑みを浮かべたのだった。
*
それからは少しトントン拍子で議論が進んでいった。
カンナの話題は一旦置いておき、ギンやナオからも話を聞くべきだとソウが皆に切り出した。
皆、その提案に同意したのだが、サラは少し気難しい顔をしていた。
まず、ギンから話を聞こう、ということになった。
しかし、なかなかギンが口を割らない。
そこで今、現在進行形でギンから話を聞き出そうと苦戦しているところである。
「時間が無いんだ。ギン、お前が皆の役に立ったってことを証明するんじゃ!」
特にQ太郎が声をかけているのだが、一向に進展しない。
そんな中、サラがレコに何か思い出せる事はないか、と聞いた。
レコはうーん、と唸り、必死に思い出そうとしていたのだが、ふと顔が晴れ、「あ…」と声を上げた。
「そういえばギンが二階の探索をしてた時にすごい物見つけたって言ってたぞ!」
レコはサラにそう伝えると、
「ギン!見せてやれよ!二階を探索してた時に見つけたすごい物!」
と、今度はギンに声をかけた。
「すごいものかじゃ…!?」
期待を込めた目でQ太郎がギンを見た。
しかし、
「ボク…そんなの…知らないニャン…」
本人が発したのは、そんな言葉だった。
場が凍りつく。
「な…なんだって…!?」
レコは目を見張った。そんな彼女に、Q太郎が声を上げる。
「レコ…お前さんの態度は立派じゃ…だけどなウソをついてまで守るのは違うんじゃねえかや!?」
Q太郎の勢いに圧倒されたのか、レコは少しどもったが、すぐに「違う…!!」と声を上げた。
「オレは…私は…ウソなんて…!!」
「…代わりに誰かが死ぬんだぜ…お前さんが死ぬか?」
そう言われ、「…ちょ、ちょっと待てって!」とレコは慌ててQ太郎に言う。
「なんか険悪だね」
再び隣の彼女に声をかけると、今度は返事が返ってきた。
「ええ。うふ、疑心暗鬼のこの空気。美味しいです」
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春雨(プロフ) - ましゅ2。さん» コメントありがとうございます!!楽しんで頂けて光栄です!! (2019年6月30日 19時) (
レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ2。(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！夢主ちゃん可愛いですし、お話大好きです！更新頑張って下さい！ (2019年6月30日 15時) (レス) id: 39489186ea (このIDを非表示/違反報告)
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