謎の言葉 ページ18
何だろう、と思っていると、やがて彼はニヤリ、と嫌な笑みを浮かべ、表情には似合わないすっとんきょうな事を言い始めた。
「人には、向き不向きがあるから」
「…はえ?」
あ、変な声出た。
しかし、そんな事には構わず彼は続ける。
「無理な役割は、やらない方が良いよ。」
後退りながら言うから、すぐにでも行ってしまいそうで、慌てて声をかけた。
「そ、それって、私にこの仕事は向いてないってこと?」
そう聞くと、彼は足を止めた。そして、相変わらずのニヤけ顔で
「さあ?どういう意味だと思う?……なんてね、ははっ。」
と言った。
うーん。あたしが思うに、完全に遊ばれてるね。
「そんな嫌そうな顔しないでよ。まあ、君は頭が良いから、その内すぐに分かるんじゃないかな。」
ソウ君は先程の私の真似をしながら話を締め括ると、今度こそ走って行ってしまった。
私は彼に声をかけることもせず、ただその背中を見送っていた。
てか走るの遅っ!
彼の言葉は謎だけれど、"考えても分からない疑問は愚問だ"と、いつもパパさんが言っていた。
仕事に戻ろう。ナオちゃんは、多分大丈夫。
アリスを、探さなきゃ。
そう思うと、ボクはソウ君が走り去って行ったのとは反対方向に歩き出したのだった。
*
「あ、あれ〜?」
どうした事か。ソウ君と話してる内に、皆姿を消してしまった。
彼があたしの気を引いていた、という訳では無いだろうけど。
ミシマ先生が死んで、ナオは混乱状態にある。それに、他の皆だって実際に人が死ぬのを目の当たりにして、自分だって死ぬかもしれないという恐怖感と焦り等を感じていると思う。
そんな状況で一致団結なんて出来そうもない。
…いや、サラだ。彼女が居れば、或いは……。
「…ん?」
二階に居ないので、一階まで来たんだけど…
何だか、人の声がする。そう思って声のする方へ歩いて行くと、段々とその声も大きくなってきた。
これは…酒場から?
1、2、3……うーん。此処からの角度じゃ何人居るか分かんないな……
どうしよう、いきなり突入したら大混乱からの大暴走…に、なっちゃう気がする。
此処で、様子を見つつ何の話をしてるか聞いとこうかなあ、盗み聞きなんて悪いけど、この際そうは言ってられない。
けど、それならもうちょっと近い方が良いかな…?
そっと近づこう。
そう思って、壁伝たいに歩を進めようとした時だった。
うわっ、なんかバランス崩れて…足が……
ガンッ…
…あ。
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春雨(プロフ) - ましゅ2。さん» コメントありがとうございます!!楽しんで頂けて光栄です!! (2019年6月30日 19時) (
レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ2。(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！夢主ちゃん可愛いですし、お話大好きです！更新頑張って下さい！ (2019年6月30日 15時) (レス) id: 39489186ea (このIDを非表示/違反報告)
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