日和颯という人間 ページ17
「ふんふ〜ん♪」
異常なーし!参加者達は特に揉め事をしているわけでも、何か企んでいるようでも無いので心配する必要もないし、普通に皆二階を探索していたので簡単に見つけられた。
サラ達もあの話の後、ナオ探しにすぐ戻ったようで、先ほど見かけた。
「問題はあの二人だよなあ」
ナオとアリス。あの二人は、一階にも二階にも居なかった。
ナオは今、見つかるわけにはいかない状況だと思うので、恐らく何処かに隠れているのだろう。
けど、アリスはもうずっと見ていない。彼はあの投票の時にだって居なかった。
モニターで最初の試練を見ていたホエミーは、彼は試練をクリアしたと言っていた。
と、すれば…
「一体、何処へ行ったのやら…」
「誰の事かい?」
背後から声をかけられ、弾かれたように振りかえった。
「わっ!?…そ、ソウ君…いつからそこに…」
ニット帽とマフラーが特徴の青年、日和颯が値踏みするような眼差しで此方を見ながらそこに立っていた。
「誰の事かって…誰の事だと思う?」
からかうように聞けば、「あはは、分かんないから教えてよ」と、薄っぺらい笑顔で返された。
「んー」と唸り、考える。
日和颯…彼、何か違和感がある。以前、人工知能がちゃんと機能するかテストをしたのだが、その時の彼はこんなではなく、失礼ながらもっと弱々しい感じの人だった。
勿論、全くの別人という訳ではない…のだが、なんというか、裏を匂わせるような感じだ。
猫かぶりというか、はたまたそのように見えて実は気を張っているだけか。
「ねえ、黙ってないで何とか言いなよ、お人形さん」
先程よりも少し低い声で言われ、思わず肩を揺らした。
思考を巡らせていたので、彼の相手を忘れていたようだ。
なんと言えばいいか迷ったけど、何だか嫌な感じがする人だと思い、そんな人にはどんなに些細な情報だとしても与えるのは躊躇われる。
「ああ、ごめん。何でもないよ。…誰の事かは、内緒だよ。君は頭が良いから、その内にすぐ分かるんじゃないかな。」
にこり、とそう言えば、「…へえ」という何とも言い難い返事と共に、少し怪しむような視線が投げかけられた。
まあ、実はもう一人参加者がいますよ、なんて情報、大した需要も無いと思うんだけれど。
「ほら。探索できる時にしといた方が良いよ。」
行った行った、と急かせば、不服そうにしながらもソウはくるりと此方に背を向け、歩き出した。
しかし、途中でぴたりと歩みを止め、此方を振り返った。
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春雨(プロフ) - ましゅ2。さん» コメントありがとうございます!!楽しんで頂けて光栄です!! (2019年6月30日 19時) (
レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ2。(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！夢主ちゃん可愛いですし、お話大好きです！更新頑張って下さい！ (2019年6月30日 15時) (レス) id: 39489186ea (このIDを非表示/違反報告)
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