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見つめられる瞳から目が離せないまま、雅人さんの右手が私の両腕をまとめ、上へと持ち上げる。
反対の手は頭を支えられ、少しずつ柔らかなシーツに身が落ちた。
そっと押し倒されるのも、指を一本一本辿る様にシーツに縫い付けてくるのも、お腹の上に跨られて
見下ろされるのも、甘いご褒美に心臓が破裂しそうだった。
鼓動は騒いで聞こえてしまいそうだし、胸がいっぱいになって、雅人さんの事しか考えられなくなって、好きが溢れどんどん零れ落ちていく。
右手がまた頬を撫でて、柔く口づけられる。
角度を変えて何度も求められて、手は耳をふにふにと遊んだりなぞったりと好き放題触れている。
ただでさえ蕩けそうな程甘ったるいキスなのに、弱い耳をなでなでされるのも、絡んだ手が優しく握ってくるのも、今にも溶けてなくなってしまいそうだと思った。
熱くて、甘くて、こんなにも優しい。
どうして、と朧気な思考は段々と欲に忠実になり、触れられる度にずくりと下腹部が疼く。
キスをされながら、頬や頭をあやす様に撫でられて、漏れ出る声をのみこむ口が深く深く求めてくれる。
濡れた唇も、指先も、触れられるすべてが心地よくて、呼吸も心も乱されていく。
キスだけなのに、と続く悦で膝を擦り合わせたくなるもどかしさに息をのむと、離れた唇が首筋をなぞった。
「んッ……ぁ、…っ」
肩のラインをなぞる様に甘噛みされ、噛み跡がついた肌をぺろりと満足げに舐められる。
整わない呼吸のまま、シーツを握りしめた。
「…まさと、さん」
余りに優しく与え続けられる快楽に、ようやく瞼を開く。
触れたくて伸ばした手をとられ、ちぅ、と手のひらに口づけられるものだから、それだけで心はいっぱいになってしまうのだ。
「……だいすき」
頬を撫で、微笑む私に再び口づけた雅人さんは、そのまま耳元へ顔を寄せ呟く。
「…俺も」
熱い指先が服の中へと伸びて、残しておいた白苺のタルトはもうしばらくお預けになった。
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み(プロフ) - かるぴさん» 最後までお読みくださり、またこんなに心温まるコメまでありがとうございます…!!そう仰っていただけてとても嬉しく、執筆してよかったと救われました💕こちらこそありがとうございました💕🐕🎀 (9月20日 15時) (レス) id: c444dbe51c (このIDを非表示/違反報告)
かるぴ(プロフ) - とても面白かったです…!!ついつい最後は泣いちゃうくらい大好きです……!こんな神みたいな作品生み出してくださってありがとうございます😿😿! (9月15日 8時) (レス) @page48 id: 9d8af713d5 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - ペネロッペさん» コメントありがとうございます!!こんなにもお褒め頂けてとても光栄です、こちらこそありがとうございます✨ (2023年3月7日 16時) (レス) id: b66859cee4 (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - 完結、おめでとうございます!! とてもとても大好きな小説が完結して嬉しい気持ちとどこか寂しい気持ちがごった返しですが、、、無事、完結という形で終わっていただいた作者様にもう一度、感謝を述べます!ありがとうございました!! (2023年3月6日 15時) (レス) @page48 id: 42dc98278a (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - 亜紫さん» お優しいお言葉ありがとうございます…!!とっても嬉しいです😍他作品も含めお楽しみ頂けます様頑張ります!😊🎁 (2023年2月20日 8時) (レス) id: b66859cee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:み | 作成日時:2022年1月25日 15時