KZ Family

変わりばんこ ─お兄ちゃんs Side─ ページ10

貴和Side

突然だけど、アーヤはいつも俺と寝てる。

女の子っていうのとまだ幼いっていうのとあって(特に後者かな)、暗いところに１人は怖いらしくて。
まぁ、俺達兄貴からしても１人で寝かせるより誰かが一緒の方が安心出来るしね。
で、一緒に寝るとなったら最年長の俺だろってなったから俺と寝てる。

それで俺と寝るのは当たり前のようになってて。
毎日そうだったんだけど…
今日は違うんだな。
今日どころか今日から数日。

始まりはアーヤの一言だった。



昨日の夜、リビングにみんなが集まってる時にアーヤは唐突に言い放った。

彩｢ねぇねぇ、貴兄。アーヤ、他のにぃにと寝んねしちゃい。｣
｢………え？｣

いや、俺相当なショック受けたよ。
アーヤ俺と寝るの嫌になっちゃったのかなって。

けど、うちのお姫様はそんなことに気づく訳もなく、話し進めていた。

彩｢あのねー、いっちゅも貴兄だかりゃ、他のにぃにとも寝んねしたいのー｣

って。

それ聞いた弟達はあからさまに機嫌よくなってたけど、俺はすごく複雑だった。

アーヤが弟達と仲良くしたいって思うのは兄として嬉しいよ？(充分仲良いけどね。)

でも、俺個人としてはやっぱり寂しいわけ。

こうやって兄離れしていくのかな…って。

けどまぁ、俺１人の感情で決めても良くないし、何よりアーヤの意思を尊重したかったから俺が仕切った。

｢んじゃ、アーヤと一緒に寝たい人ー。挙手！｣

典彦臣｢｢｢はいっ！！！｣｣｣

珍しく臣まではっきり言ってる。
まぁ、なんだかんだアーヤのこと好きだしな。

……ってそうじゃなくて、決めなきゃ。誰が一緒に寝るのか。


うーん、とりあえずみんながそれぞれ寝れるように順番にまわせばいいと思うんだけど。
それをどうやって決めようかな…

年齢順にしたら臣が最後どうのこうの言いそうだし、かと言ってアーヤに決めさせるのもなぁ。
兄弟仲に亀裂が入りそうだし。


悩んだ挙句、俺はくじ引きってのを思いついた。
それなら公平でしょ。

まず紙に線を３本引いて…
好きなところに名前書いてもらって、１人２本まで横線入れられるっていうあみだくじ。
最近うちでは何故かそれが物事を決める時によく使われるんだよね。


その結果…
１日目が和彦。
２日目が臣。
３日目が和典になった。

３人共文句も言わなかったし、これでいっか。

そうしてアーヤが俺と別で寝る数日が始まった。

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