【原朔哉】(中2) 昼休み 2 ページ18
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「ずっと好きでした、花宮くん・・・!」
入学式から2ヶ月が過ぎた放課後。
暖かな春の日差しを受けながら、俺は女生徒からの呼び出し場所である校舎裏で告白をされていた。
もちろん、現在進行形で。
「ごめんね。悪いけど、その気持ちには答えられないな。今は、勉強に専念したいから・・・気持ちだけ、ありがたく受け取っておきますね。」
眉を下げ、優しげに微笑む。
目の前の女は、うっすらと目を潤ませながら頬を赤く染め、いかにも泣き出しそうな様子。
・・・面倒くせぇ。
どうして俺がお前なんかの為に時間を裂かないといけねぇんだよ。
来んのも時間の無駄だっての。
要件済んだならさっさと行けよ。
っーか、「ずっと好きでした」って会って2ヶ月だろ。
テメェのずっとはそんなに短いのかよ、うぜぇな。
・・・なんて、正直に口にするわけにもいかず、笑顔で苛立ちを抑える。
と、体育館の影からジャリッと砂を踏む足音が聞こえた。
「あ、花宮くんはっけーん。」
ひょっこりと顔を出したのは、同じクラスの原。
下の名前は・・・朔哉、だったか。
いつも通りの棒つき飴を加えて、ゆるゆる(ふわふわ?)とした足取りで近づいてきた。
「あ、お取り込み中だったぁ?ごめんね〜」
・・・ぜってぇ悪いと思ってねぇな。
俺の感情を知ってか知らずか、原は悪びれる様子もなく、またゆるゆるとこちらへ近づく。
「あぁ、原さん。どうかしましたか?」
にっこりと微笑むと、ソイツは『ふぅん?』と目を細め、俺と女を見比べた。
軽蔑にも思えるその瞳に、微かな苛立ちを覚える。
かと思うと、次の瞬間。
原は面白そうに口角を上げ、ガリッと飴を砕いた。
「花宮くん、さっきせんせーが探してたよん。」
食べ終えた飴の棒を口から出し、手に持つ。
にぱりとその作ったような犬口を開け、八重歯を見せて笑った。
・・・あぁ、嘘か。
そう、瞬時に察知した。
女はこの空気に耐えられなくなったのか、はたまた原が苦手なのか、そそくさと逃げる様にその場を立ち去った。
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水希 - 参加したいです! (2018年5月21日 17時) (レス) id: 3c8893256c (このIDを非表示/違反報告)
リフル - 自分が書いた奴を消しました。 (2017年2月12日 13時) (レス) id: ac365a8709 (このIDを非表示/違反報告)
奏葉(プロフ) - 未宇さん» はじめまして。是非どうぞ!でも私はこの一週間ここに来れそうにないのでやり方だけ教えますね! (2016年3月29日 7時) (レス) id: 28b2dcf9a2 (このIDを非表示/違反報告)
未宇 - 参加していいですか? (2016年3月28日 23時) (レス) id: d7839a77d6 (このIDを非表示/違反報告)
紀良(プロフ) - えっ!新機能スゴッ!?そんなのあったんですねぇ〜・・・って、ここ書き込んでいいんかな・・・失礼しましたぁー! (2016年3月8日 19時) (レス) id: 4dd9c8676b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃらめる x他7人 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年1月6日 18時