雪三片 ページ4
『わあ……広い、この学校』
「そうだよね〜、気を抜いたら迷っちゃうよ。そっちが音楽室」
『お、覚えきれないよ…』
その日の放課後。彼女に、学校案内。
「そうだ。近くに俺が入ってる部の部室があるんだけど、覗く?俺の兄貴も居るし」
『ゆうたくん、お兄さん居るの?』
「同い年だけどね」
『同い年…?』
首を傾げる彼女。
俺は、部室のドアを開けた。
「あ、ゆうたくん!遅かったね、というかその子誰?」
『ドッペルゲンガー!?ゆうたくん見ちゃダメだよ!』
「A、大丈夫!俺の兄貴だから!!」
あわあわとする彼女に、双子の兄を紹介する。
『ふ、双子…?そっくりだけど、似てないね』
「そう?」「そうかな?」
あまり言われたことのない台詞。
兄貴と二人で顔を見合わせる。
彼女が、吹き出した。
『ふふ。…鏡、みたいね。でも、どこか違う』
「へえ、じゃあ見分けられる?俺とゆうたくん!」
『うん』
自信ありげに頷く彼女。
「ふーん。面白いね、キミ!学校案内?俺も行く〜!良い、ゆうたくん、A?」
「俺は良いよ。Aは?」
『うん、もちろん』
こうして、兄貴も加え、俺たちは体育館に足を向けた。
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作者名:紀伊マコト | 作成日時:2016年8月31日 20時