気まぐれボイジャー【豪炎寺修也】第八章 (ページ5)

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☆５☆ ページ5

A「どした？」

緑川「目が覚めちゃった」

A「おじいさんか！」

緑川「だって北海道では毎朝早起きだったんだもん、体内時計直せない」

A「そうだったんだ」

緑川「とにかく寒いからさ。早起きして薪小屋から薪を取ってきて暖炉つけないといけない感じ」

A「大変だったんだね、ホームステイ」

緑川「これも将来財閥に貢献するための勉強だよ」

A「吹雪には会った？」

緑川「ああ、相変わらずチャラかった」

A「ふふっ」

立ち上がってキッチンへ行き、緑川の分のコンポタも用意する。

再び卓袱台へ戻ると、緑川があたしのパソコンを睨んでいた。

緑川「これは何のレポートだい？腎臓がどうのこうのって書いてあるけど」

A「解剖学。わけわかめでしょ」

緑川「あーー、頭痛くなるねこれ。さすが国立大学だよ」

A「すごいでしょ」

緑川「ああ、俺には無理無理」

大学生になってから３人で同居はしていたけど、緑川だけ別の大学に通っている。

そして緑川は１年間北海道の田舎で漁生活体験をしていたのだった。

緑川「っていうか、Aって何で医者志望なんだっけ」

A「普通に医学に興味があって患者さんに貢献したいから」

緑川「ふーん、将来何科希望とかあるの？」

A「小児科を考えてるけど、まだ確定してないね」

あたしが医者を志望している本当の理由までは、ヒロトにも緑川にも話していない。

ただ、普通の理由で医者を目指していることしか。

一緒に暮らしているからと言って包み隠さず話さなきゃいけない訳じゃないし、別にいいよね。

A「朝ご飯何がいい？」

緑川「忙しそうだから簡単なものでいいよ」

A「じゃあ煮物にしよ。今日は学校終わったらバイトだから、夜は余ったやつチンして食べてね」

緑川「あ、そうか今日は土曜だった。ヒロトもAもバイトか」

A「時間割、冷蔵庫貼ってあったでしょ。ちゃんと覚えてね」

緑川「はいはい。Aの帰りは１０時以降だな」

A「正解」

緑川「俺もバイトやらなきゃなぁ」

A「北海道行く前にやってたカフェは？」

緑川「いや、漁業経験の続きとして魚関係もやってみたいんだよねぇ」

A「いいじゃん」

緑川「ゆっくり探すよ」