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299話# 夏休みの1コマ ページ33

#家#


とある月曜日のこと。


あたしはオーブンから20枚のクッキーを取り出した。

そのうちの1枚を取って半分に割り、ヒロトに手渡す。




ヒロト「お、焼けたかい?」


A「食べてみて」


ヒロト「...ん、おいしい」


A「ストロベリージャム入りだよ」




その前に焼き上げてあるチョコレートクッキーとバニラクッキーを合わせたら50枚は下らない。





A「ちゃんと食べてくれるかなぁ」


ヒロト「みんな喜ぶよ」


A「ゴールデンウィークの時はアップルパイだったよね確か」


ヒロト「ああ、すぐになくなった」




焼き上げたクッキーを箱に移し、蓋をしてリボンを結ぶ。




ヒロト「わあ、すごい」


A「可愛いのできた」





今日から3日間、ヒロトはお日さま園に帰省する。

ちなみに緑川はゼミ合宿で留守。

長い休みになるとちょくちょく帰るヒロトに、あたしはその都度こども達にお菓子を作ってあげていた。







準備を終えて玄関に立つヒロト。



ヒロト「ごめんね、1人にして」

A「緑川もどうせ明日には帰ってくるし、大丈夫だよ」

ヒロト「おっけ。何かあったらラインしてね」

A「はーい」

ヒロト「じゃ、いってきます」

A「いってらー」





ヒロトが出て行って、あたしは1人になる。



ちゃぶ台に置いてあったノートパソコンを開き、音楽をつけながら研究結果のレポートにとりかかった。

自分のおやつ用の自作クッキーを齧りながら、パソコンのキーを叩く。




網戸からじめじめとした夏の風が吹き込んできた。

タンクトップの上にカーディガンを羽織り、あたしは集中して作業を進めた。


窓の端に縛られたカーテンが、風に揺れる。





今日の夕飯、何にしようかな。

1人だし、インスタントラーメンでもゆでようか。






そんなことを考えながら、暢気に一日を過ごしたのだった。

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ノコ(プロフ) - 再開、嬉しいです。ななっちさんの作品はどれも心に染みます。ありがとうございます。大切に読ませていただきます。 (2020年5月27日 1時) (レス) id: a7f52ab7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - Lakeさん» こちらこそありがとうございます〜 (2020年5月26日 20時) (レス) id: 6b7ac9b579 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございます! (2020年5月26日 20時) (レス) id: 6b7ac9b579 (このIDを非表示/違反報告)
Lake(プロフ) - 更新ありがとうございます〜! (2020年5月26日 20時) (レス) id: 7e7ce81c15 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - おかえりなさい (2020年5月26日 20時) (レス) id: 87b01b0a04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななっち | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/trhthe/  
作成日時:2018年2月14日 23時

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