292話# 見抜かれた真実 ページ26
ジッとヒロトを見つめると、彼は言った。
ヒロト「...さすが、豪炎寺くんは鋭いな」
修也「!!」
ヒロト「実はね、そうなんだ。シェアハウスなんてただの口実。Aちゃんと同じ大学を志望していたのは偶然だったけど、でも受験の日に再会したのは偶然じゃない。計っていたんだ」
修也「...誰に言われた」
分かっている。
裏でヒロトに指図している人間なんて、あいつしかいない。
ヒロト「君の推理でただ1つ違うのはね、この家は俺が所有しているんじゃなくて、鬼道くんの財力で買ってあった空き家なんだ」
修也「...」
やっぱり、鬼道だ。
ヒロト「鬼道くんとAちゃんが付き合っていたのは知っているよね。でも高校1年生の夏前に、2人は別れたんだって」
修也「っ!?」
ヒロト「別れを切り出したのは鬼道くんなんだけどね。彼はずっとAちゃんのことを心配してた。たまたま俺がAちゃんと同じ大学に進学するって聞いて、頼んできたんだ。Aが無理をしないように見守っていてくれって、一軒家を俺にまるごと預けたんだ」
なるほどな。
そういうことだったのか。
ただ、まだ1つ気になることがある。
修也「...Aが無理をしないように、って...どういうことだ?」
ヒロト「...」
修也「自分と別れて辛い思いをして、無理をしないようにってことなのか?」
嘘だ。そんな訳がない。
失恋したぐらいで空き家を丸ごとヒロトに預けて見守らせるなんて、あり得ない。
Aが強い人間だってことは、鬼道だって分かっているはずだ。
何か、他にあるんだ......
修也「本当の理由は何だ?」
ヒロト「...それは豪炎寺くん、自分で確かめるといいよ」
修也「!」
ヒロト「俺はキミとAちゃんの問題に首を突っ込むつもりはないからね」
俺とAの問題って?
いったい何だ。
何が起こっているのかさっぱり分からなかった。
ヒロト「まあ、安心して、俺は君たちの味方だから、困ったらいつでも相談乗るよ」
修也「ああ...」
そう言ってヒロトはタオルケットを渡してくれた。
ヒロト「俺も寝ようっと」
修也「...」
夜と共に謎が深まっていく。
その時俺は、風丸が目を覚ましていたことに気付くことがなかった。
風丸「...」
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ノコ(プロフ) - 再開、嬉しいです。ななっちさんの作品はどれも心に染みます。ありがとうございます。大切に読ませていただきます。 (2020年5月27日 1時) (レス) id: a7f52ab7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - Lakeさん» こちらこそありがとうございます〜 (2020年5月26日 20時) (レス) id: 6b7ac9b579 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございます! (2020年5月26日 20時) (レス) id: 6b7ac9b579 (このIDを非表示/違反報告)
Lake(プロフ) - 更新ありがとうございます〜! (2020年5月26日 20時) (レス) id: 7e7ce81c15 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - おかえりなさい (2020年5月26日 20時) (レス) id: 87b01b0a04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななっち | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/trhthe/
作成日時:2018年2月14日 23時