EP.8 “0”から“1”へ ページ26
試合に勝った喜びにロッカールームはすっかりお祭りムード。チームメイトの興奮した声がこの空間を満たしていた。
アタシは少し離れた所からそれを観察。
まだ一試合目が終わっただけで、他のチームとの試合も残って油断ならないってのにこの浮かれよう……。
正直、今からこんな調子で大丈夫かしらと心配になるけど、今はまぁ…素直に試合に勝てた事を喜びましょうか。
「すーいちゃん♪いつ話してくれんの〜？」
ナチュラルに腰に手を回してきた士道ちゃん。前から思ってたけど顔近いわねこの男。いちいち顔を近づけないと気が済まないタイプなのかしら？
それか、これはもうアタシが慣れろって事？OK、把握したわ。
士道ちゃんはアタシの話を早く聞きたくて仕方ないのかウズウズしている様子だった。
「そうね〜。今から話そうと思うわ」
こちらに注目するように大きく手をパンパンと2回叩いた。すると、煩いくらいに騒いでいた声が一瞬でピタっと止み、一斉にこちらを向いた。
「喜んでるところに水を差すようで悪いわね。けど、今から話す事は多分今後のアタシ達に必要な事だと思うの」
「何を話すんですか姐さん？」
「俺ら姐さんの話ならいくらでも聞きますぜ」
いつの間にか姐さん呼びになってるわね……。いつからこのチームは極道みたいになったのかしら……。
「試合が始まる前に絵心さんが言ってたでしょ。この一次選考はサッカーを0から創るための戦いだ、みたいな事を。あの意味が分かったような気がするの」
そう言うと皆、驚いた顔をした。アタシは話を続ける。
「さっきの試合、相手チームを含み自分が点を取ることに固執しすぎた結果、お団子サッカーが生まれた。これが絵心さんの言うところの「サッカーを“0”から創り直せ」の“0”に値する部分だと思うの」
自分の行動に思い当たりがあるのかうんうんと頷いたり、ほうと関心する者がちらほらと。
「その“0”という状況を打ち破ったのがアタシと……士道ちゃんのシュート。それによりアナタ達はこう思ったんじゃない？“コイツらに任せたらきっと試合に勝てるんじゃないか”って…。だから途中から自分達が決めたポジションに専念してたでしょ？その結果初めてチームとして成り立ち、アタシ達が知っているサッカーをし、そして勝利した」
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ブラット - 乙夜と烏が一緒だとどっちか上がれなくない？ (2月3日 18時) (
レス) @page48 id: 4dbf5de316 (このIDを非表示/違反報告)
黒帽子(プロフ) - mumuさん» そう言って頂けると嬉しいです(^^)試合後の絡みとか書いていこうかなとは思っています (2023年4月20日 0時) (レス) id: 5ad37fcfe0 (このIDを非表示/違反報告)
黒帽子(プロフ) - ユキトさん» そうなったらJFU壊滅の危機になりそうですね(笑) (2023年4月20日 0時) (レス) id: 5ad37fcfe0 (このIDを非表示/違反報告)
mumu - 乙夜と睡蓮が会ったらどうなるのか気になったので乙夜参戦は嬉しかったです。 (2023年4月19日 15時) (レス) id: c61307fab8 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - JFUの腐ったミカンが睡蓮ちゃんを利用しようとすればE組+αに痛い目と弱味を握られそう… (2023年4月19日 9時) (レス) @page47 id: acc4cdc8d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒帽子 | 作成日時：2023年3月18日 17時
