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裕翔がやってきたのは、電話から1時間ほど経ったころだった。
有岡の自宅の合鍵を持っているはずだけど、裕翔はおそらく「あえて」インターホンを鳴らした。
私が玄関を開けると、神妙な面持ちの裕翔がジッと私を見下ろしたかと思うと、
「せっかくの2人時間を邪魔してごめんな」って。
少し口元を引きつらせて笑おうとするものだから、それが胸にズキンと突き刺さる。
有岡「裕翔、なにのむ??」
中島「ああ、ううん、いい。すぐに帰ろうと思ってるし。とりあえず座ろ」
裕翔がそう言うと、全員立ったままだった私たちは、
ソファ前のテーブルを囲んで、床に座った。
中島「A、何があった?」
裕翔が大きな目でジッと私を捉えた。
思わず私は目を逸らしてしまう。
有岡「裕翔・・・違う。元はと言えば、俺のせいだから・・・」
中島「どういうこと??」
有岡はテーブルに視線を落としたまま、ゆっくりと話し出した。
有岡「入社した時からAのことが気になってた。帰国して同じ部署になってからは、完全に片思いしてて。でもAには婚約者がいるし、諦めなきゃいけないってちゃんと頭では理解してたんだ」
裕翔は特に相槌をうつでもなく、黙って聞いていた。
私も有岡の言葉を、不謹慎ながらもドキドキしながら聞いていた。
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kazuho10venw(プロフ) - ひなるりさんの作品が本当に好きです。1番好きです。新しい作品も繋いだ手をもう一度も、そしてtaste youは本当にドキドキして一気に読みました!これからもお忙しいかとは思いますが頑張ってください!更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年2月16日 0時) (レス) id: 3a82aedab1 (このIDを非表示/違反報告)
ひなるり(プロフ) - マソさんさん» ありがとうございます!ドキドキもハラハラもして頂けて光栄です!これからも波乱の展開も目指しますので、引き続きよろしくお願いします! (2018年1月17日 20時) (レス) id: d8c478152b (このIDを非表示/違反報告)
ひなるり(プロフ) - ほーちゃんさん» ありがとうございます!!更新ゆっくりめで申し訳ありませんが、どうぞ引き続きよろしくお願いします! (2018年1月17日 20時) (レス) id: d8c478152b (このIDを非表示/違反報告)
マソさん(プロフ) - ドキドキもハラハラもしました!すごく読んでいて楽しいです!更新楽しみにしています! (2018年1月16日 1時) (レス) id: a8e64801a2 (このIDを非表示/違反報告)
ほーちゃん(プロフ) - とっても好きな作品です!(^^)応援してます!! (2017年12月30日 0時) (レス) id: 9c70c51396 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなるり | 作成日時:2017年12月22日 1時