バァカ*3 ページ3
.
白髪頭の、いかにも教授ですっていう感じの教授の話をボーッと聞く。
数分すると、俺の隣に女性が座ってきた。
「あの、隣、大丈夫でしたか?」
ニコリとはにかむ彼女は、俺から見ても可愛いと思う。
だけど、俺と同じタイプだ。
「いいですよ」
俺もニコリと微笑むと、その人はペコリと頭を下げた。
だが顔を上げた瞬間、ほんの一瞬だけ悪さが垣間見える。
その顔を見て、あぁ、やっぱり同じだと確信した。
猫かぶり。
昔から俺は猫かぶりだった。
いや、昔からというより小学校の頃からと言ったほうが正しい。
俺には一人の姉がいた。
頭は悪かったが、愛想は良かった姉。
頭は良いが、愛想は最悪だった俺。
いつも褒められるのは姉だった。
よくやったね、頑張ったね。
貴方は本当に可愛いね。
そんな言葉をかけられるのは姉だった。
それに腹が立って、俺は愛想を良くした。
その途端周りのものはみんな俺を褒め始めた。
そして、姉は次第に嫌悪の対象となった。
貴方はなんでそんなに頭が悪いの!?
真を見習いなさい!
その言葉が毎日聞こえた。
俺はそれに酷く優越感を感じた。
自分の性格が悪いとそこで気が付いた。
それから俺は色々な人を傷つけた。
バスケ人生を奪ったことだってある。
でも、そんな俺に、Aは周りとは違う対応をしてくれた。
媚びるわけでもなく、嫌味を言うでもなく、普通に、普通に接してくれた。
「花宮くん、よろしくね」
俺はその時、初めて純粋な人の笑顔を見たと思った。
54人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まよまよ(プロフ) - 九尾さん» ありがとうございます!ものは考えよう、ですよね笑 (2015年9月4日 18時) (レス) id: a7c3ca81a7 (このIDを非表示/違反報告)
九尾(プロフ) - 終わりかたが、もの凄く好きでした、人それぞれに色々な考えがあるなって、お疲れ様でした。 (2015年9月4日 8時) (レス) id: 0ae4922b71 (このIDを非表示/違反報告)
まよまよ(プロフ) - 46猫さん» ありがとうございます! 更新頑張ります♪ 花宮くんゲスいくせに健気で応援したくなりますよねw (2015年7月26日 13時) (レス) id: a7c3ca81a7 (このIDを非表示/違反報告)
46猫 - 凄く面白かったです!更新頑張って下さい!個人的に僕は、花宮君と夢主くっつけたいですwww (2015年7月26日 3時) (レス) id: 3bb8decfb6 (このIDを非表示/違反報告)
まよまよ(プロフ) - けめこ さん» ありがとうございます!! 頑張ります(`・∀・´) (2015年7月19日 22時) (レス) id: cac4b5f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ