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10時間目 神様 ページ11

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思わず目を逸らしてしまった私に思うところがあったのか、
目の前の彼は取り繕うように続けた。



「…………まあ、無理にカナタと仲良くしてくれ、なんて言えないんだけど」



風で乱れた髪を手櫛で整えながら苦笑いを浮かべる彼。
ちゃり、と彼が付けているピアス同士がぶつかる音が嫌に大きく聞こえた。


……そう、先程から思っていた。
別に見た目で判断するつもりは毛頭ないが、
奴とこの目の前の彼が友人関係であるというには些かタイプに差異があり過ぎるように思う。

派手な髪にピアス、第二ボタンまで開いたシャツ、
更にはその柔和でフレンドリーな性格――――どれをとっても奴とは正反対だ。



「……貴方は何で彼奴――白川奏多と仲が良いんですか、」



私の問いが予想外だったのか、目の前の彼はその涼しげな双眼を数度瞬かせた。



「……ああ、確かに。俺とカナタ、全然タイプ違うもんね」

「や、気悪くしたらすみません」



全然平気だよ、と笑う彼。

嗚呼、イケメンの笑顔は人を幸せにするな、なんて。
初対面の人間に対して失礼すぎる感想を抱いていた時だ。




「――――カナタはねえ、俺の神様だから」




いやに感情のこもったその言葉に思わず彼を見つめてしまう。
『え、』なんて間の抜けた声を上げてしまった私に、彼は続けた。



「ごめん、吃驚するよね、いきなりこんなん言われても」

「……や、まあ、確かに驚きはしましたけど…………」

「……俺とカナタ、小学校からの付き合いなんだ、」



そこから聞いたのは彼と白川奏多の小学生時代の話だった。

女の子が望まれていた家庭で産まれた彼は
当時両親から中性的な服装しか与えられなかったそうだ。

それに加え、当時は引っ込み思案だった彼自身の性格も相まった結果、
起きたのは小学生特有のいじめである。今にしてみれば幼稚なものであるが
当時の彼からしたらその苦痛は耐えがたいものであっただろう。



「……その時に、助けてくれたのがカナタだったんだよね」



成程、偏屈ではあるが筋はあれでも通っている男だ。
当時から正義感には溢れていたのだろう。

しかも奴はクラスメイトだけではない。彼の親にまで直談判したらしい。
奴の不遜で物怖じしない性格は当時から健在だったようだ。



「……だから、俺の全てを変えてくれたカナタは、神様」




うーん、今のは流石に言い方クサかったかな、
なんて。苦笑いをする彼に、私は返す言葉が見つからなかった。

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ラッキーアイテム

真宮寺陽のピアス


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設定キーワード:オリジナル , 恋愛 , ケンカップルは至高   
作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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ぴのいちご(プロフ) - 夜澄ソラさん» お褒めの言葉頂き嬉しいです……!元々自己満足で自分の好きな物を詰め込んだだけのものなので好き嫌いは別れても致し方ないのかななんて思います、コメントほんとにとっても嬉しいです、ありがとうございます! (1月5日 23時) (レス) id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
ぴのいちご(プロフ) - 颯貴さん» 初めて長編小説を書かせて頂いたのですがそう言っていただけてとても嬉しいです……!これからもゆるゆる更新させて頂きますのでよろしくお願い致します……! (1月5日 23時) (レス) id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
颯貴(プロフ) - 夜澄ソラさん» ほんとにそれ。(あっFF外から失礼します)なんでこんな低評価なん?理解できないんだけど (1月5日 23時) (レス) id: b9ddb7cad4 (このIDを非表示/違反報告)
夜澄ソラ(プロフ) - 一気に読んでしまいました。こんなに評価が低いのが理解できないくらい面白かったです……!続きも楽しみにしています! (1月5日 23時) (レス) id: 1c9f7aabed (このIDを非表示/違反報告)
颯貴(プロフ) - おもしろかったです!普通に書店に並ぶ本を読んでたみたいで笑いかにも文才ある感がある文章でそれに比例する内容の面白さ、とても面白かったです!続き待ってます(*´ω`*) (1月5日 20時) (レス) id: b9ddb7cad4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴのいちご | 作成日時:2021年1月3日 12時

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