11時間目 親友 ページ12
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「……ごめんね、長々話しちゃって。
まあそんな訳で、そんな事情のある親友に会いに来たら
いつも名前出てくる女の子に会ってちょっと気持ちが入っちゃったのもあるかも」
だから、仲良くしてほしいなんて言って押し付けちゃった、ごめんね。
そう続けて彼は申し訳なさそうにぺこ、と軽く会釈した。
本当に見た目の第一印象からは想像もつかない好青年である。
嗚呼、白川奏多とはもう関わりたくない一心でそそくさと出てきたけれど。
でも、此処まで聞いておいて知らぬ存ぜぬで帰るのはもう心情的にも出来そうにない。
「……あの、呼んできますよ」
「え?」
「彼奴、今貴方との約束すっぽかして自習してると思うんで。
図書室から引きずり出してきます、貴方の神様」
私がそう言えば、目の前の彼はぱちくりと目を瞬かせる。
驚きましたと言わんばかりの表情だ。その後、へにゃりと表情を緩ませる。うわイケメン。
「ふ、佐藤サン面白、え、ねえAちゃんって呼んでもいい?」
「嗚呼もう全然好きに呼んで頂いて……あ、そうだ貴方の名前も聞いていいですか」
「……え、まだ自己紹介してなかったんだっけ。うわごめん、
わざとらしく形式ばった自己紹介をする彼に思わず頬が緩む。
そうそう、普通のコミュニケーションってこういうことなんだよな。
此方もわざとらしくお辞儀をする。頭上から笑いを噛み殺すような声が聞こえた。
「こちらこそよろしくお願いします。
それでは陽くん、今から神を引きずりおろしてくるのでもう暫し校門でお待ちください」
「はは、神を引きずりおろすんだ、罰当たりな事させてごめんAちゃん」
ごめんと言いながらもニコニコと手を振る彼に手を振り返し、
私は奴がいるであろう図書室へと足を進めた。
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ラッキーアイテム
真宮寺陽のピアス
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綾木 麗(プロフ) - めっっっちゃ好きです(語彙力) (2022年11月6日 23時) (レス) id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
ぴのいちご(プロフ) - 夜澄ソラさん» お褒めの言葉頂き嬉しいです……!元々自己満足で自分の好きな物を詰め込んだだけのものなので好き嫌いは別れても致し方ないのかななんて思います、コメントほんとにとっても嬉しいです、ありがとうございます! (2021年1月5日 23時) (レス) id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
ぴのいちご(プロフ) - 颯貴さん» 初めて長編小説を書かせて頂いたのですがそう言っていただけてとても嬉しいです……!これからもゆるゆる更新させて頂きますのでよろしくお願い致します……! (2021年1月5日 23時) (レス) id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
颯貴(プロフ) - 夜澄ソラさん» ほんとにそれ。(あっFF外から失礼します)なんでこんな低評価なん?理解できないんだけど (2021年1月5日 23時) (レス) id: b9ddb7cad4 (このIDを非表示/違反報告)
夜澄ソラ(プロフ) - 一気に読んでしまいました。こんなに評価が低いのが理解できないくらい面白かったです……!続きも楽しみにしています! (2021年1月5日 23時) (レス) id: 1c9f7aabed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴのいちご | 作成日時:2021年1月3日 12時