検索窓
今日:10 hit、昨日:9 hit、合計:4,083 hit

わからない 銀時side ページ4

「……風呂」

「そう風呂!!風邪ひくから」


俺が言って風呂に押し込み扉を閉め、「ごゆっくり」と送り出すと、新八と神楽が俺に歩み寄り「銀さん」と。


「ほんとに何事なんですかこれ」

「……俺もよく分からん」


歩いていたら雨に打たれて段ボールの中で座り込んでいた女を拾ってきた旨をそのまま伝えると、二人は眉を中心に寄せるばかりだった。


「どういうことネそれ。段ボールってまるで捨て犬みたいな」

「誰かに捨てられたってことですか?でも……段ボールって」


なんでそこで雨の中大人しくしてるんですか、と新八。
そう、それなのだ。普通段ボールの中で、雨に打たれてそこで大人しくしているなんて、そんなことあり得るのか。子犬とかだったら分かる。だが、人間だ、アイツは。

誰かに捨てられた、というにもおかしな状況だが、捨てられたのだとしてもだったら自分で好きなように歩けばいい。箱の中でじっとしているなんて、普通じゃない。


「まあ、多分だが」


誰かにそこに居ろと言われたのか。


そう口にした瞬間。


ガラッ。



脱衣所の扉が開いた。


「風呂って、どうすればいい」


女が平然と言う。だが。


「「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」」


叫ぶ神楽、俺。そしてそれよりも大きな声で叫び、倒れていく新八。

女は裸だった。真っ裸で俺たちの前に姿を現した。新八はあまりの衝撃に死んでしまったようだ。

倒れた新八を受け止めた俺の横を「何してるアルかああああああああああああ」と神楽が大慌てでタオルを女にバッサアとかけながら叫ぶ。こういうときの反応速度が速くて助かる。


頭からタオルをかけられた女が「見えない」と文句を言うも、「何裸で出てきてんだよオマエ!!なに!!!何が分からないアル!?」と神楽がまるで母親のように見える様で状況をさばいていく。


「ぜんぶわからない」

「……私が風呂入れてくるから、銀ちゃんは新八の屍を頼むアル」


仕方ない、というように神楽が言い、脱衣所の中に消えていった。
俺は「お、おう」と返すことしか出来なかった。


新八を部屋に運びソファーに寝かせると、「うう……」と何かうなされていた。顔色が優れない。


俺は哀れみすら抱きながら、思う。


スタイル、結構いいんだな。



……じゃなくて。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←干上がり 銀時side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
71人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぽぽぽ(プロフ) - 神作品に出会ってしまった…更新楽しみにしてます (1月29日 10時) (レス) @page4 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダ電機(プロフ) - ピピコさんの作品とても好きなので、新作が出て嬉しいです、更新楽しみに待ってます🥰 (12月13日 19時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ピピコ | 作成日時:2023年12月4日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。