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「子どもが欲しいとか、あんま考えたことなかったんだけど。
生まれたばっかの滉を育ててたら、なんか楽しかったし、自信ついたし。」
「それは3人がかりで育児をしたからでしょ?
こっちで産んだら、誰も助けてくれないじゃん。
昼間は裕太くんは仕事だし、どれだけ仕事が忙しいなんて予測もつかないし。
それこそ、ワンオペ育児って状態になるかも。」
本当に、この問題だけは譲れない。
見知らぬ国で慣れない出産と育児、しかもワンオペなんて私には無理だって。
「なんか…、この間長野に帰った時、光ちゃんとか緑ちゃんとか見てたら、急にうらやましくなったっていうか。
だって、すげえ幸せそうに見えたから。」
それは、なんとなくわかる。
私も実は、うらやましいと思ってたよ。
結婚ってこんな感じかって、うちの両親を観察してたりしたから。
「こっちに来るのは、まだ半年も先の話だから。
ゆっくり考えよう。」
今の私には、そういうのが精いっぱい。
まだ自分のことで手一杯で、結婚生活のことまで考える余裕がないから。
プールから上がったら、急激に体が怠くなる。
何時間入ってたっけ。
夕食を終えたのか、またプールに人が集まって来たから、私達はそこを抜け出して部屋に戻ったけど。
2人してぐったりと、ベッドに横たわるだけ。
カーテンを開け放した窓の向こうは、シンガポールの眩いほどの夜景が広がっている。
テレビを付ければ、英語やマレー語なんかの言語が飛び交っていて、それがますます私をぐったりさせた。
「プールでシャワー浴びてきたから、今日はこのまま寝ていい?」
そう声を掛ければ、裕太くんはもうウトウトと浅い眠りに突入していた。
ツインベッドの片方に裕太くんを放置して、私はもう片方のベッドに半裸で潜り込む。
部屋着を脱ぎ捨てて、キャミソールとショーツだけの簡単なスタイルで。
裕太くんはもう寝てるし、たまにはこういうのもいいかなって。
好きな人と生活するというのは、なかなか難しい。
ありのままをさらけ出すなんて出来ないし、相手が不快な思いをしないように節度は守らなきゃいけない。
本当は全裸で寝ちゃいたい夜だってある。
もしかしたら裕太くんだって、そうかもしれない。
私と暮らすことで、我慢してる部分だって多いはず。
それでも一緒に暮らしているってことは、こんなことを我慢してもいいくらい、一緒にいたいからなんだと思う。
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クッキーベル(プロフ) - 昨年のクリスマスからこの作品を今日までで一気読みさせていただきました!!すごく面白くて続きが気になります!!!更新大変だとは思いますが、これからも頑張ってください!!応援してます!! (2021年1月2日 19時) (レス) id: 456e770b4f (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 楽しみに更新待っていますね。^_^ (2020年7月28日 0時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
bakutan(プロフ) - こんばんは!この物語とても好きです!ゆっくりでも良いので更新再開してください!!楽しみに待ってます! (2020年6月3日 19時) (レス) id: dde750c273 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - えりさん» こちらも大変お返事が遅くなりまして!こちらも読んでくださってるとは、ありがとうございます。こちらは更にのんびり更新でやってますが、どうぞよろしくお願いしますm(__)m (2020年3月2日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - こんばんは!こちらも楽しみに読んでいます。めちゃくちゃ素の玉ちゃんが出てる感じでリアル感もあり楽しみです!ゆっくりご都合良い時に更新してくださいね^_^楽しみに待ってます。 (2020年1月25日 22時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2019年10月6日 21時