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「ファンの子…?」

彼が聞き返すから、私の鼓動はますます早くなる。

もうこの先は言わないで。

出来ればこのまま立ち去ってくれないかな。

心の中で切に願っていたら、先生はチラリと私を窺い見てくる。

必死で目で訴えるけど、すぐに北山くんには気付かれてしまったみたいで、

「とりあえず、ここじゃアレだし
部屋で話しませんか?」

とか言い出して、ポケットから合鍵を取り出してきた。

先生の視線はその合鍵に注がれてるし、きっと北山くんはそれを見越して合鍵を取り出してきたんだと思う。

俺、合鍵持ってますけど?的なマウンティングの意味も込めて。

慣れた手つきで鍵を開けると、先生を招き入れてしまう。

…それにしても、なんで勝手に部屋に入れちゃうかな。

ここ、私の部屋なんですけど。









いつもなら定位置につくはずの彼は、何故か先生にその席を譲ってしまった。

彼は奥に座るから、私はその向かいに座ることになり、先生を中心に三角形の変な布陣が出来上がってしまった。

「あの、この人は大西先生で、それで…」

沈黙が怖くて、焦って紹介なんかをしてみるけど、

「わかってる
Aの元彼ですよね?」

彼は平然と先生に微笑みかける。

…一体、何を考えてんの?

先生を部屋に入れてまで話すことなんて、何もないだろうに。

だけど北山くんはサラリと、先生にこう尋ねた。

「さっき言ってた「ファンの子」っていうのは、どういう意味ですか?」







…来た。

早速、それ聞いちゃう?

聞き流してはくれないわけ?

先生はさっきと同じようにチラリと私を窺ってから、

「ファンの子と付き合ってるんですか?という意味で訊きました」

ハッキリとそう答えてしまった。

「ファンの子って誰のことですか?」

そう聞き返す彼の声を聞きながら、恐怖で手が震えてくる。

もうやめて。

いつかは白状するつもりだったよ。

でも今、このタイミングでバラされてしまうのは嫌なんだ。

こうなったら、自ら打ち明けるしかない!







「先生、とりあえず今日は帰ってもらえますか?
北山さんと話があるので」

震える声でそう告げるけど、先生は会話を続けてしまう。

「2人は友達なんですよね?
どういういきさつで、そういうことになったんですか?」

私はすかさず、その会話にも割り込む。

「霞さんの旦那さんと、北山さんが飲み友達でね
霞さん家のホームパーティーにお呼ばれしたら、たまたま北山さんもいたの」

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りたわかめ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます、多分、3ヶ月ぶりくらいに更新した気がします・・・。夏の間は死んでました(T^T) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひろさん» 本日、移行しました!読んで頂けたら嬉しいです(/ω\*) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - わかめさん、更新ありがとうございました。めちゃくちゃドキドキです。 (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 久々の更新楽しみにしてました!!楽しく読ませていただいてます(*´ω`*) (2020年9月1日 22時) (レス) id: 57f2f46317 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» わざわざ聞かせてみましたwwwいこう!ってwwww (2020年9月1日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りたわかめ | 作成日時:2020年2月7日 22時

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