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「だって俺は、恋愛できないから
前に言ったじゃん」
「しないんじゃなかった？」
「しないし、できない
迂闊には」
その言葉を聞いてホッとしたけど、少しだけ残念にも思った。
そして彼はまた、私に一歩近付いてくる。
「本当は知ってんじゃないの？
俺の正体」
半分、探るような目をして。
「正体？」
性懲りもなく、また私は白を切る。
だけど、校舎の壁にある大きな時計を見たら、
もう０時２０分を回っていることに気付いた。
「ヤバい、閉門しちゃう」
いきなりそんなことを言って、この話題を回避することに成功した。
「え？閉まんの？」
「０時半には小扉も閉められちゃうから」
なのに彼は、
「まだ１０分もあるじゃん」
とか言いながら、慌てる様子も見せない。
「家まで送るわ
もう遅いし」
「いいです、そんなの！」
やんわり断ろうとしたのに、意外に大きな声になってしまったことに自分でも驚いた。
「タクシー呼ぶから、Aちゃん家を経由してから帰ることにする」
一緒にタクシーとか、ありえないでしょ！？
もし写真とか撮られたらどうするわけ？
「家、近いの？」
「近いです」
一緒にタクシーを回避するために、そんな嘘をついた。
「歩いて帰るつもりだった？」
「そうです」
そう答えたら、何故か彼は笑い出す。
「Aちゃん、自分でも気付いてないのかもしれないけど、さっきまでタメ口だったのに、何でまた敬語に戻ってるわけ？」
え、そうだっけ？
私、ずっとタメ口だったんだ。
「もう敬語は禁止ね
歩いて帰るなら、俺も一緒に歩くわ」
だから、ダメなんだって！
北山くんはいつも、過剰なくらいに警戒してんじゃん。
何で今日に限って、こんなにユルユルなわけ？
「大丈夫です
1人で歩いて帰れるので！」
「夜道に女の子が1人とか危なくない？」
なかなか引いてくれない彼は、とうとう私の手首を掴んで正門の小扉をくぐろうとするから、
私は強引にその手を振り払った。
「ダメですって！
女の子と一緒に歩くとか」
「何で？」
楽しそうに聞き返してくる彼にイライラして、
「写真でも撮られたらどうするんですか！」
つい、とんでもないことを口走ってしまった。
なのに彼は、初めて会ったときに見せられた、あの隙だらけの緩い笑顔を携えてこう言った。
「やっぱ、知ってたんじゃん
俺の正体」
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18rf(プロフ) - わかめさん» わあ！返信有難うございます！！なるほど、そうだったんですね！！主人公ちゃんの気持ちすごいわかるなあ、北山さんに触れたい！！って毎回なってます笑これからの展開たのしみにしてますね！！ (2019年7月30日 0時) (
レス) id: 6b95d259ee (このIDを非表示/違反報告)
ふう(プロフ) - わかめさん» 返信ありがとうございます！沢山連載あるのに更新ありがとうございますTT (2019年7月22日 23時) (レス) id: 24794ead76 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ふうさん» コメントありがとうございますm(__)mそんなこと言っていただいてうれしいです(/ω＼)今夜も更新しようと頑張ってますが、もう既に眠いのでくじけるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いしますm(__)m (2019年7月21日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - アップルさん» そんなことと言っていただいて、ありがとうございます！ご褒美だとか、本当にもったいないくらいです。夜桜と北山くん、かなり素敵だと思われます！どうぞこれからもよろしくお願いしますm(__)m (2019年7月21日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 18rfさん» はじめまして、コメントありがとうございます。毎回気になるところで終わりますよねwでもこれ、実は自分のためなんです。次を書きたくなるようなところで終わらせておかないと、次に書く気がなくなっちゃうので(/ω＼) (2019年7月21日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2019年6月25日 22時
