30 ページ30
「そういうことするつもりなら、帰るよ？私。」
そう言ったらまた、黙り込むくせに。
二階堂くんは、その場の感情で動きがちなんだよ。
「私は二階堂くんとはきちんと付き合いたいって思ってるから、いきなりそういうことするのは嫌だ。
本当は付き合ってまだ間もないのに、こんな風に泊まったりするのも私的には抵抗があるんだけど。」
「…Aって、真面目だとは思ってたけど、固くない？」
「固いよ。
だから、段階を踏んでゆっくり順序正しく進まないと嫌だ。」
今の時代、私の考え方は古いのかもしれない。
付き合ってその日のうちに最後まで行っちゃう人達も多い中、田舎育ちで厳しく育てられてきた私の身持ちは、ガチガチに固い。
てっきり呆れられるかと思ってたのに、何故か二階堂くんは私の背中を優しく撫で始めた。
「…わかった。
ちゃんと付き合おう、俺達。」
なんだか今日の二階堂くんは、大人に見えて仕方ないんだ。
急に色気を身に纏ってきたり、甘い雰囲気を作ってきたり、そのくせ私の古臭い恋愛観も理解しようとしてくれる。
「俺だって、Aとは真面目に付き合いたいと思ってるから。
だから、今夜は何もしない。」
さっきからずっと背中を撫でてくれてるのも、なんだか落ち着く。
なのに…、
「じゃあ、キスは明日にしよっか。」
二階堂くんはいきなり、そんなことを言いだす。
「…え？」
意味が分からなくて、聞き返したら、
「だから、明日しよ。
キス。」
サラッと、そう返されてしまった。
自分の提案に満足したのか、二階堂くんは私のおでこにキスすると、そのままあっさりと眠りについてしまった。
待って。
キスって予告制だったっけ？
少し前まで、二階堂くんが大人っぽく見えてたのに。
さすがにこのキス予告は、ぶっ飛んでる。
やっぱり二階堂くんって、よくわからない。
翌日、私達が向かったのは、郊外にある大きな遊園地だった。
初めてのデートの場所にはピッタリだと思う。
だけど…。
夕方が近づいてきた頃、二階堂くんの様子がおかしくなる。
落ち着きがないっていうか…、ソワソワキョロキョロと辺りを気にし始める。
冬の遊園地は夕方６時に閉園してしまうから、
最後のアトラクションに二階堂くんが選んだのは、カップルの定番の観覧車だった。
夕日の差し込むゴンドラに乗った瞬間にわかった。
二階堂くんはきっと、キスする場所を探してたんだってことに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 985人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わかめ(プロフ) - にかはるかさん» そろそろ話もいい感じに入ってきました(/ω＼)今日も更新しましたので、是非、読んでいただければ幸いです(*'ω'*) (2018年4月18日 22時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 主人公ちゃん頑張ったー！にかちゃんどうするんだろ？ラブラブになれるかなー？！ドキドキがとまりません！！ (2018年4月17日 4時) (レス) id: 3dfef49e61 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - チョコブラックさん» コメントありがとうございますm(_ _)mどちらも読んでいただけて幸せですー(*´∀`)♪ (2018年4月9日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコブラック(プロフ) - タマちゃんの方も読んだけどどっちも面白いし、読みやすい！ (2018年4月8日 10時) (レス) id: e5c704bd79 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わかめ
| 作成日時：2018年3月21日 4時
