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…言わせんなよ、こんなこと。

それくらい悟ってほしい。

「そんなに優しくしたっけ?俺。」

「あんなに長く話を聞いてあげる必要ある?
ただ断ればいいだけなのに。」

「その方がすっきり諦めてくれるかなって思ったから。」

「最後に変な優しさなんか見せるから、「まだ好きでいていい?」なんて言われちゃうんだよ。」

今日の私は手厳しい。

なんでかって、不安で仕方ないからだよ。

初めての二階堂くんの部屋と、付き合って初めてのお泊まり。

それなのに、いきなりの翠ちゃん登場で長い間待たされて、ほんとは不満よりも不安の方が大きいんだ。









「わかった。
A以外の女の子に優しくしなきゃいいわけでしょ?」

不貞腐れたように答える二階堂くんに、また胸がざわざわしてくる。

二階堂くんは根本的なことがわかってない。

「私の言ってる意味、わかってる?」

「…何?」

「優しくするのは私だけにしろってこと!」

けっこう強めに言っちゃったから、てっきり二階堂くんは機嫌が悪くなるだろうって思ってたのに。

何故か二階堂くんは無反応。

暗がりの中、二階堂くんの方を振り返れば、思いっきりニヤけてるし!

「A、可愛くない?
自分だけに優しくしろとか、そんなこと言ったりするんだ?Aって。」

…もう、二階堂くんのツボがよくわからない。

だけど、私のそんな我儘で二階堂くんは喜んじゃうんだと思ったら、私の不安も少しずつ楽になっていった。









「二階堂くんは、春休みはずっとバイト?」

「一応。
でも、ちゃんと休みは取るし、毎晩Aのバイト先に迎えに行くから。」

「いいのに、別に毎晩じゃなくても。」

「そうでもしないと、学校もないのにAに会えないじゃん。」

二階堂くんってさ…、意外にサラッと甘いことを言うよね。

本人は自覚してなさそうだけど。

「でも就活も始まるから、バイトはセーブするかも。」

「就活か…。
私はしないからわかんないけど。」

「えっ!?A、就活しないの?」

いきなり二階堂くんが大げさに反応してくる。

「しないよ。
前に言ったじゃん。
地元で公務員試験受けるって。」

「Aの地元ってどこだっけ。」

「九州の離島。」

しばらくの沈黙の後、二階堂くんはまるで深呼吸するように息を整えて、

「A、それって俺達、卒業したら離れちゃうってこと?」

そう、恐る恐る聞いてきた。

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わかめ(プロフ) - にかはるかさん» そろそろ話もいい感じに入ってきました(/ω\)今日も更新しましたので、是非、読んでいただければ幸いです(*'ω'*) (2018年4月18日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 主人公ちゃん頑張ったー!にかちゃんどうするんだろ?ラブラブになれるかなー?!ドキドキがとまりません!! (2018年4月17日 4時) (レス) id: 3dfef49e61 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - チョコブラックさん» コメントありがとうございますm(_ _)mどちらも読んでいただけて幸せですー(*´∀`)♪ (2018年4月9日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコブラック(プロフ) - タマちゃんの方も読んだけどどっちも面白いし、読みやすい! (2018年4月8日 10時) (レス) id: e5c704bd79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2018年3月21日 4時

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