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何もないクローゼットの真ん中に、存在感たっぷりに敷かれた一組の布団は…。

なかなかの威圧感。

「とりあえず、風呂入るか。」

二階堂くんがバスルームに行った隙に、その布団を観察してみる。

…意外と小さい。

ここに2人で寝られるのかな。

布団をペロリとめくったところで、二階堂くんがバスルームから出てきた。

そんな私の様子に気付いて、

「…気になる?」

なんて苦笑いしながら、私の隣に腰かけてくる。

「嫌?ここに寝るの。」

「嫌じゃないよ。
でも…、狭くない?」

「狭いよ。
俺一人で寝てても狭いなって思う。」

「2人で寝て大丈夫?」

「大丈夫じゃないかもね。
俺、寝相悪いし。」

そう言って二階堂くんは、けらけら笑ってる。

…よく笑ってられるよね。

狭い布団に2人で入るってことは、それだけ体が密着するわけで。

手を繋ぐだけで精一杯な私達のことだから、今夜は何もないのは確実だけど。

何もない状態で体を密着させて、平静でいられると思う?









とりあえず布団に入ってはみたものの、予想通り体が密着してしまう。

その気まずさから背を向けて寝返りをうてば、布団ごと持っていっちゃって、

「A、寒いって。」

そう笑われながら、体勢を元に戻されてしまった。

2人で仰向けに並んで寝てみると、私はお布団がかかってるけど、二階堂くんは半分体が出ちゃってる状態。

「やっぱりよくないよ、この布団は。
二階堂くんが風邪ひいちゃう。」

1月の夜は半端なく寒くて、肺炎で入院してた二階堂くんのことを思うと、心配で仕方なくなってきた。

「大丈夫だって。
俺、暑がりだから。
ほら。」

そう言っては、布団の中で手を握ってくる。

その手は意外に暖かくて、でも心配性の私は二階堂くんの体をぐいっと引き寄せた。

「二階堂くんはこっち向きで寝て。」

横向きで寝たら、なんとか体は布団に収まりそうだから。

私も二階堂くんに背を向けて、横向きで寝てみる。

この状態なら、なんとか2人とも布団に収まりそう。









「…今日はごめん。」

寝る位置が定まったら、今度は二階堂くんはしおらしく謝ってくる。

「翠ちゃんのこと?」

「…まあ、そう。
俺的には上手くやったつもりだったんだけど、Aは不満みたいだから。」

…ちゃんとわかってんじゃん。

「何がいけなかった?」

「私にだけ優しくしてほしいんだけど。
他の女の子には優しくしちゃだめ。」

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わかめ(プロフ) - にかはるかさん» そろそろ話もいい感じに入ってきました(/ω\)今日も更新しましたので、是非、読んでいただければ幸いです(*'ω'*) (2018年4月18日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 主人公ちゃん頑張ったー!にかちゃんどうするんだろ?ラブラブになれるかなー?!ドキドキがとまりません!! (2018年4月17日 4時) (レス) id: 3dfef49e61 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - チョコブラックさん» コメントありがとうございますm(_ _)mどちらも読んでいただけて幸せですー(*´∀`)♪ (2018年4月9日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコブラック(プロフ) - タマちゃんの方も読んだけどどっちも面白いし、読みやすい! (2018年4月8日 10時) (レス) id: e5c704bd79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2018年3月21日 4時

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