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−You Side−
《……笑い声が聞こえてるってことは、ちゃんと繋がってるんだよね》
私が笑いを抑えきれずにいると、少々不貞腐れるように確認してくる彼。失礼だったかなと反省しつつも、英智くんのその反応では寧ろ逆効果だった。
《ねぇ、いつまで笑ってるのさ?》
『ごめんごめん……英智くんが__』
勢いで次の言葉を紡ごうとするが、直前でそれを飲む。
危ない、先程私は「英智くんが可愛かったから」と言おうとしていた。けれど、どこぞの漫画で男の子に「可愛い」という言葉は禁句だと書いてあったような__
《? 僕が何だい?》
『あー……いや、何でもない、かな』
《変な風に濁らされると、余計に気になるのだけれど》
確かに、自分も英智くんの立場に立って考えれば同じように考える。
けれど言ってしまえば後、彼の機嫌を損ねてしまうような気がした。
『言ったら英智くん、怒るかもしれないし……』
《ふぅん……そんなに不躾なことを考えていたの?》
『いや、断じてそんなことは……!』
予想外な問いが返ってきて、後のことを考える暇もなく口走ってしまう。
なら、言えるよね? と発するなり、怖いくらいにっこりとした笑みが容易に想像できた。
英智くんの脅しという罠に、あっさり引っかかってしまったのである。
《……こういう時は、一応保証というものをかけておいた方が良いのかな。
怒らないと約束するから、言ってごらん?》
今言うべき時ではないと思うけど、英智くんの「ごらん?」って言い方かわいいよね。それ+微笑みとか付いてたりしたら余裕で卒倒する自信がある。
……とりあえずそれは置いといて、既に逃げも隠れも出来なさそうだ。
素直に、正直に話すしか無かろう。
『英智くん、が……』
《うん》
__可愛くって。
そう、意を決して告げた。
怒らないと言質は取ったし、ちょっと何か言われる程度なんだろうなと思っていたけれど……数秒間だけ無言に包まれる。
『……おーい、英智くーん……?』
反応が無いとそれこそ困るんだけど……そう付け加えて、名前を呼ぶ。
電話が切れたわけじゃないし、と益々首を傾げるが、その瞬間 彼特有の上品な笑い声が聞こえてきた。
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ひなたりん(プロフ) - 紫水さん» お久しぶりですね!この作品面白くて大好きです!反応集の更新頑張ります(`・ω・´) (2020年7月26日 10時) (レス) id: 0e1418e0b0 (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - ひなたりんさん» ひなたりん様!お久しぶりです〜!!ペコリ((・ω・)_ _)) 明日中には続編公開予定なので、是非楽しみに待っていてください〜!! こちらも、反応集の更新楽しみにしていますね´`* (2020年7月25日 23時) (レス) id: 0c629b66c9 (このIDを非表示/違反報告)
ひなたりん(プロフ) - ぞ、続編!?楽しみに待ってますね!紫水様ほんと好きです← (2020年7月25日 23時) (レス) id: 0e1418e0b0 (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - 烏賊さん» 返信が遅くなってしまいすみません!コメントありがとうございます!!英智くんの可愛さが、きちんと読者さんに伝われているようならとっても嬉しいです…!! (2020年7月6日 22時) (レス) id: 0c629b66c9 (このIDを非表示/違反報告)
烏賊(プロフ) - 英智くんめっちゃ可愛いな... (2020年6月30日 20時) (レス) id: 407f6d7981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫水 | 作成日時:2020年5月20日 14時