貴様らとっくに両想いだからな！？【天祥院英智】

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−You Side−


「……それで、誰に泣かされたのかな？」

『いや、泣かされたっていうか……』


こんな英智くんは知らない。笑ってるのは可愛いから良いんだけど、目力で1人殺めてしまえそうなほどの圧がこちらにかかっていて思わず怯んでしまう。
オマケに目も合わせられないわけだから、尚更怪しまれてるし。



『……どうして、来てくれたの？』

質問を質問で返すようで悪いが、やっとの思いで出た言葉がコレ。途中から変なこと聞いてるな……と語尾が弱くなってしまった。




「そんなことは後ででいいだろう。

まず僕の質問に答えてくれないかな？」


あぁ、余計に圧が強くなってしまった。そんな英智くんも素敵だってことには変わりないけど。


……選択肢として素直に暴いてしまうのが吉だとは思うが、私の場合それは不可能。理由が理由だし、「英智くんの話で泣いた」なんて言っても何も解決しないに決まっている。

そもそもどうして氷鷹くん言っちゃったんですか、という話だ。
この状況も謎に満ちているし。



まぁ、英智くんに嘘をつくことは絶対にしない。他の方向で解決させる。



『ごめん、理由はどうしても話せなくて……。

でも大丈夫だから。泣かされたとか、嫌な事があって泣いたとかじゃないよ』


英智くんの瞳を真っ直ぐ見つめてそう言う。分かって貰えたらいいのだけれど、と期待を込めたが、当の本人には何故かため息をつかれた。



「……どうしても話せないの？」


『英智くんが心配するようなことじゃ全くないから……』


例えると、良い話を聞いて感動して泣いちゃったみたいなものだよ、と言うと英智くんはイマイチ納得したかようにクスリと笑みをこぼす。






……もしも嫌な事があって泣いたとしても、英智くんの笑顔を見れば涙なんて吹っ飛ばせる。

それだけ自分は単純なのかもしれないけど、貴方の虜なんだよ、英智くん。

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