貴様らとっくに両想いだからな！？【天祥院英智】

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−Wataru Side−


「そういうことなら、俺はもう帰っていいということだな。
失礼する」


「お待ちください北斗く〜ん！ 代わりに頼みたい事を思い出したんですよ！」

単なる私のおふざけだったつもりが、北斗くんってばドアノブに手をかけて本当に帰ろうとしてしまうなんて☆

既に分かっていましたが、彼は冗談を軽く受け流せないタイプの子ですねぇ。私自身の日頃の行いが影響している部分もありますが……☆




「言っておくが、それはちゃんとした真面目な頼み事なんだろうな？」

「もちろんですよ〜！」


フフ、半信半疑のようですねぇ。

そう考えながらも、私は北斗くんにとある書類を手渡した。



「生徒会に提出する書類です☆ 面倒臭いと思いますが、頼まれてください！」

そうして付け足すように、私は今ちょっと生徒会室出禁中なので……と、明らかに見破られるだろう嘘を吐く。
因みに、この前冗談抜きで右手の人に出禁させられそうになったのは嘘ではありません☆



「それだけなら頼まれてやらないでもないが……」

「フフ、流石北斗くんですねっ！ ありがとうございます〜☆」

盛大に薔薇を撒き散らしながらそう褒め称えると、分かりやすいお世辞はいらん、と眉を顰められる。
深い意味はありません、褒めて伸ばしたいだけなのですがねぇ。



「それと、英智に伝えてほしいことがあります」

「……わざわざ俺から、か？」


「北斗くんだからこそ意味があるんですよ！」


一旦先程の話に戻りますが……英智はAさんのことを相当気に入っているというか、愛していますからね。
きっと、Aさんが泣いていた、と北斗くんが伝えれば英智は急いで駆けつけることでしょう、想像するだけでわくわくしてきます……☆





.

応援していますよ、Aさん。

私がおふたりの恋に、愛と驚きを与えましょう……☆

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