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「じゃあ、ここの問題を…今日は5日だから出席番号5番の…」
と、教卓の上の出席簿をめくると、とても綺麗、とは言えない字が見えた。
「上田さんかな？どうわかる？」
彼の字は、小学生みたいなだ。
まあつまりは、いかにも不器用そうな人の字だなと思う。
「よし、じゃあまず半反応式から書いてみよう。
水素分子１個から、水素イオンは…」
「２つ？」
「そう、合ってるよ。じゃあ次は…」
不器用ねぇ…
１番彼からかけ離れてる言葉かもしれない。
「高橋くん。」
急に私が当てたことで、驚きすぎた彼は、頬づえをついていた手が外れて、ガタガタと机が音を立てた。
その事でクラス中が彼に注目。
「なんすか？」
「ここわかる？この場合の電子」
私は、黒板に書いてあるe¯の前にある空欄に当てはまる数を彼に問う。
「記号系っすか？」
「記号？」
記号…？数字は記号じゃないでしょうよ…なんて思ってたら、とんでもないことを言い出す。
「卍っすか？」
「はぁ？」
それなのに、他の生徒たちには大ウケ。
ま、まんじ？？なにそれ…
「高橋、先生困っとるから」
なんてしっかり者の室長くんが言う。
「だって、俺こんなん知らんし。
そうや、今度藤原にこの問題出してくださいよ、絶対あいつ知らないっすよ！」
高橋くんの言葉に、クラス中が納得する。
なんでかなぁ、
生徒たちにも、私たち職員にも、向ける顔は同じなのに、
そのどちらも彼の本当の顔ではないなんて、彼のことは本当によくわからない。
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あゆみ(プロフ) - これの続編が見たいです！ (2018年7月6日 7時) (
レス) id: abf9dfc72b (このIDを非表示/違反報告)
ななほ(プロフ) - ゆうさんの小説安定に面白すぎました〜！！契約違反大好きです！！次回作も楽しみにしてます〜！！ (2018年7月1日 0時) (レス) id: e5f624fc9f (このIDを非表示/違反報告)
山田さんちのきりたんぽ(プロフ) - ゆうさんの作品、大好きです！関ジュの小説って少ないし、自分の好みのタイプじゃない物もあるのですが、ゆうさんの作品は私の好みのどストライクです(笑)ゆうさんの作品には元気をもらっています。これからも頑張って下さい!! (2018年6月26日 21時) (レス) id: fd80dbcfbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう
| 作成日時：2018年2月3日 21時
