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(はー、スッキリ…早く戻らなきゃ…)
「ちょっとあんた!」
用をたして個室から出ると、出入口の扉の前に仁王立ちする二人の生徒がいた。一年生は赤、二年生は青、三年生は緑のリボンを付けるんだけど、青いリボンだから二人は二年生なのだろう。
「はい?」
「あんた、今朝清水さんに付きまとってた人でしょ?」
「私、聞いたんだよねーあんたが清水さんを遊びに誘ってるとこ。」
「え…確かにお誘いしましたけど…でも付きまとうだなんてそんな!」
「やっぱそうなんだー、ならさ…すぐ断って。」
はあ!?…とは思ったものの、それを口に出す程怖いもの知らずでは無いため、
「どうして、ですか?」
と、少し弱々しく訪ねると、先輩が私の方に近寄って、
「あのねえ!あんた知らないだろうけど、清水さんは、お前なんかが仲良くしていい人じゃないんだよ!!」
片方の先輩に凄い剣幕で怒鳴られて、色々まくし立てられた。
その先輩によれば、莉沙先輩は同学年の中でも人気者で、ファンも多く、つまり私みたいなみそっかすが仲良くしていい方ではないという。
やっぱり怖くてつい床にペタリと座り込んでしまった。
前には二人の先輩。怖くて動けないから逃げられない。まるでにオオカミに追い詰められた兎みたい。どーすりゃいいのよ。
思考が停止して、しばらく先輩に睨まれたままで数秒が経った。
「何か言えよ!」一人の先輩に、腕辺りを軽く蹴られる。
「はあー、何なのこいつ。何にも言わないし。」
「ねえ美穂、帰ろ…いつまでもこの子の相手しててもしょうがないし。」
「そうだね…おい。」
呼ばれた途端我に返り、俯いてた顔は上を向いた。
「次、清水さんと話してるの見たら、ただじゃおかないからな!!」
先輩二人は、私をつき倒してトイレから出ていった。
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作者名:さくらももち | 作成日時:2016年11月2日 21時