この手を離すな【銀魂】4

異常 : 銀時 ページ38

全「で、なんで俺ここにいる訳？」


銀「開かねえんだよ、このドア」


全「いや、だからなんで俺だ！？」


銀「でけぇ声出すなよ。
いいから、さっさと開けてくれ。
痔持ちとは言え、現役の忍びだろ？
ちょちょいとやってくれよ」


全「おい、お前今痔バカにしただろ？
長え付き合いになるとな、
こいつはデリケートな部分のことを
逐一、俺に知らせてくれる、
もはや仲間なんだよ。分かるか？
バカにしていい相手じゃねぇんだ」


銀「痔の擬人化ってお前、
頭に手裏剣でも刺さった？
ここの奴ら、朝バカみてぇに早ぇんだよ。
さっさとしろ！」


全「ボラギノール1年分だからな！」



…ガチャンっ



銀「早ぇじゃねえか！さすが、当主。
じゃ、あんがとな！」


全「待て待て待て！
訳ぐらい話せよ！あの四辻邸の
内密部屋なんだろ！？なんかあんのか？」


銀「ありゃいいが…」



未明。
四辻邸に全蔵を呼び寄せ、
開かずの扉どころか
近づくことさえ、許されなかった
四辻の部屋に忍び込む。



全「随分、勤勉なことだな。
本だらけじゃねえか」


銀「特に変わったモノはねえな」


全「何探してんだ？」


銀「………異常」


全「は？」



机の引き出しに鍵はかかってない。
ここを厳重にしていたから、油断したのか。
そもそも、証拠品など
藤野が言うように全て処分してるのか。
後者が濃厚だろうがよ。



全「……おい、ここだ」


銀「あ？」


全「分からねえのか。
この本棚だけ、微かにだが継接ぎが違う」


銀「どこが違うって？」


全「これだから、素人は…。見てろ」



ぐっ…



銀「……まじかよ」



書斎のような部屋は一見、
何の問題もない、家主の姿を浮かばせたが
全蔵が押した、隠れ扉になっていた本棚の向こうは
異常さが溢れ返っていた。



全「…なるほど。これが噂の四辻妻か。
お前がここまで肩入れする筈だ。
俺のタイプじゃねえが…」



Aちゃんの写真が壁一面に貼られていた。
よく見てみると、吉原にいた時の写真もあった。
横には日付、時間、行動内容まで書かれている。




全「！…おい、お前これ」


銀「？……っ！？」



全蔵が指差したのは、
切り裂かれた俺の写真。
横には土方くんに沖田くんもいる。
警察の動きも事細かく、示されている。



銀「信教者に調べさせてたのか…」


全「ほんとに異常者じゃねえか」


銀「……だが、欲しい証拠品はねえな」


全「は？これ以上にやべぇ奴なのか？」


銀「…そうらしい」

暗示 : 銀時→←これだ : 土方

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