この手を離すな【銀魂】2

呻き : 土方 ページ28

山「着きました！副長！
…でも、あれ？沖田隊長は…？」


土「あんの、バカ！一人で入りやがったのか！？
お前ら！！四辻は獄門だっ！
速攻、引っ捕らえて四辻の妻を保護しろ！！」


隊「はいっっ！！！」



パトカーを降りながら、叫び
4番隊に先に向かわせる。



平「あのっ、」


土「お前はここにいろ」


平「Aさ、…妻の部屋は離れの一番奥です！
そこに四辻もいます！！」



青褪めた顔で叫ぶ平太に
緊迫感を増され、俺は礼を言うと
下人と揉み合う玄関を尻目に
パトカーを踏み台にし、塀を乗り越え
離れに向かう。
走り出したはいいものの、
入り込んだ屋敷は想像よりバカでかく。



土「…っ、どこだっ！」


沖「遅えぞぉ、土方ぁ」


土「総悟っ！？おま、どこにいた！？」


沖「あんたと同じで
あっこ乗り越えて様子を伺ってやした。
あと、電、」


土「四辻は見たか！？？離れはどこだ！？」


沖「話聞いてくだせぇや…はぁ、
どこだって今向かってまさぁ。
ほら、あそこでい」



走りながら、指差した先に
文字通りの離れがあった。
屋敷より新しく、増築されたらしいが
閉鎖的で昼間でも暗そうだ。



沖「あそこに四辻がいるんで？」


土「ああ！！一番奥の部屋だ！
そこに四辻と妻がいる！」



4番隊はまだここまで来れてねぇ。
四辻に悟られても面倒だ。
縁側には上がらず、外側から
奥の部屋を目指す。



沖「…それにしても」


土「……ああ。窓一つねぇな」



離れの作りに違和感を覚えながら、
奥の部屋まで辿り着くと



？「んんんんんーーーーっっ！！！！」



土「っ！？？」


沖「…なんだ」



断末魔のような、悲痛な
叫びにならない叫びと
ドタバタと暴れる音が聞こえた。
俺たちは形振り構わずに
縁側に上がり、扉を蹴り飛ばす。



どごぉぉんっ



土「真選組だっ！御用改めである！！
四辻宗介、そこにな…っ！！？」


沖「！？こいつは…、」



窓一つない部屋で
電気に煌々と照らされていたのは、



馬乗りになり、
血のついた医療用のナイフを握り
俺たちに眼を見開いて驚く四辻と

馬乗りになられ、
タオルを詰め込まれた口で
呻き叫び続けるAと



床を染める血。



握られたナイフの先は、
そのか細い足に切り込まれていた。

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