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でも、だけど、 ページ40

「じゃあ、ここで…」


新八くんと後片付けをしてから、
銀時さんに吉原まで送ってもらった。
もう今日が終わろうとしている時間だ。



銀「悪ぃな。遅くなっちまって。
俺も逢いに来るしさ、その、よかったら…
あの、またふたりでどこか、」


「はい!またどこか一緒に行きたいです!」


銀「ほ、ほんと!?そか!うん!
じゃ、じゃあ、明日の朝でもいいからさ!
万事屋に電話して番号教えてね!」


「分かりました!じゃあ…、
今日は素敵な時間を
ほんとにありがとうございました。
また明日。電話で」


銀「うん、電話で。…おやすみ」


「おやすみなさい」



銀時さんはわたしが中に入るまで
その場から離れず、
扉を閉めるまで手を振ってくれていた。
手を振り返し、ゆっくり扉を閉めると
急激に現実に引き戻されたような、
眼の前の色が変わっていくような、
感覚に陥った。



でも、
だけど、
どこか、違くて。



誰とも触れ合ってなんかないのに、
何故だか、とても温かくて。
わたしの胸が熱を持っているように感じた。




「不思議な人たちだわ…」





ばたた…





月「A!!」




「月詠さん?」




自室に向かう途中、
慌てて駆けて来た月詠さんに呼び止められる。



月「携帯も持たず、どこへ行っておった!
皆ずっと探していたのじゃぞ!?」


「す、すみません…忘れてしまって。
何かあったんですか?」


月「とにかく、日輪が待っておる。
話はそれからじゃ」


「…はい!」



わたしは、何か失敗でもしたかしらと
胸に不安を覚えながら
月詠さんの後を追いかけた。



月「日輪!Aが戻ったぞ!」


日「Aさん!」


「遅くなりました!一体何があ、」


日「四辻さまがいらっしゃってるの」


「え…、でも今日は予約はなかった筈…。
それに、わたしこんな格好では、」


月「A…。
落ち着いてよく聞きなんし」


「…は、い」



日輪さんが待っていた部屋で
わたしはふたりの眼の動きに、
少しばかり緊張が走る。

一度軽く、溜息を吐いた後
ふたりは眼を合わせ
ゆっくりとわたしに視線を移した。
眉を顰める、真剣な顔つきに
わたしは背筋を伸ばして
その唇が動くのを待った。



日「決まったのよ…。
あなたの身請けが」


「え!…」

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時

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