距離 : 銀時 ページ39
土「じゃあ、こいつに何かされたら
すぐ俺に連絡しろよ?」
銀「何かってなんだごらぁ!
さっさと失せろ!!クソマヨ!」
「付き合ってくださって、
ありがとうございました!」
土「い、いや、俺は何も…」
銀「そうだそうだ!てめぇは何もしてねぇよ!」
土「別れ際の挨拶してんだから
てめぇは少し黙っとけ!!」
「いえ、土方さんもいて下さって
ほんとに楽しかったですよ。
わたしの初めての外出!」
土「そ、そうか…!また連絡する」
「はい!」
カフェから出たところで、連絡が入り
屯所に戻ることになった土方くん。
休日なのに忙しいこって。
漸くこれで、邪魔者が消えてくれる。
土「万事屋ぁ!おかしな真似したら、
現行犯で取っ捕まえに行くかんな!!」
銀「品性方向な銀さんは
捕まるようなこと致しませんー!!」
けっ、と俺から眼をそらし、
一度、Aを見つめて踵を返す。
銀「よし、じゃあ、俺たちも帰ろっか?」
「え?」
銀「万事屋に!一緒に帰ろ。
あとで送ってくから!ね!」
「…はい!」
銀「でさ、帰路がてら
俺にもその…連絡先を…」
「え?あ、はい!番号ですね。
ちょっと待ってくださ、…あ!!」
銀「どったの?」
歩きながら、話していると
Aちゃんは突然立ち止まり
申し訳なさそうな顔をした。
「すみません、わたし…
外出することがなかったもので
携帯を携帯するのを忘れてました」
銀「ははは!そりゃ、意味ねぇな」
「全くです…個人用はあまり使わないので、
番号も覚えてなくて…」
銀「そっか…、じゃあ、帰ったらさ
万事屋に電話して教えてよ」
「ええ、分かりました!」
銀「へへ、やったね!」
浮かれ始めると万事屋に着き、
新八と神楽が出迎えてくれた。
神「お帰り!銀ちゃん、A!
A、卵好きアルか?
夕飯、一緒に食べて行くネ!!」
「え、い、いいの?」
新「もちろんですよ!
その為に今夜はいつもよりは
豪華なおかずにしましたから!
ね?銀さん、今日はいいですよね?」
銀「ああああ!もちろんだ!
せっかく、ふたりが用意してくれたんだ。
食べてってくれるよな?」
「…ええ!ありがとうございます!」
笑顔になるAちゃんの背を押し、居間に入る。
身なりのせいか、神楽と話してるせいか
やっぱり、いつもとは全然違くて
だが、まだまだ彼女の心は見えねぇままだ。
それでも少しはこの距離、
縮められたんじゃねえかと思えた夜だった。
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作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時