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とりあえず、大丈夫です : 土方 ページ38

銀「ねええぇ、まぁじぃでさあぁ、
なんで、お前までいんの!?」


土「別に着いて来た訳じゃねぇよ!!
たまったま、茶をしばきに来ただけだ!」


店「何名様ですか?」


「三人です」


銀「ほぉらぁぁ!!Aちゃん、軽やかに
三人ですって言っちゃったじゃねぇか!
せめて別の席行けよ!!」


土「だったら、お前が行けばいいだろうが!
さっき、土方さんも一緒に行きましょうって
カフェに誘われたのは俺だっ!!」



ガスガスガスっ



肘打ちをし合いながら、
席まで向かう俺らは
カフェなんて初めてです!と
満面の笑みで振り返るAちゃんに
にこっと笑顔で合わせて、席に着く。



「わぁ…こんなに
たくさんあるんですね」


土「ほんとに吉原を出たことねぇんだな」


「ええ、今脳内ぱんぱんですよ。
色んなものを見過ぎて」


銀「わ、悪ぃ!連れ回しちまってるな!」


「ううん、すごく楽しいですよ!
何食べようかな…」



化粧もせず、普段着の着物で
髪も無造作に下ろしていると
町娘に変わりなく
この歳まで遊女の道しか、
歩んで来なかったのかと少し胸が痛む。
憐れむなんて失礼なことは出来ねぇが。



銀「これ…!すごく美味しいぞ!」


「え、ほんとですか!」


土「んな甘えのより、こっちのコーヒーにしろ。
俺があとでマヨネーズトッピングしてやる」


「え、マヨネーズ?」


銀「この味覚音痴の話は聞かなくていいから!」


土「てめぇに味覚のことは言われたかねぇよ!」


「あ、あああ!
じゃ、じゃあ、両方頼もうかな!」





ずずず…



「美味しい…!
ケーキもコーヒーも。美味しいです」


土「マヨネーズ入れるともっと上手くなるぞ?」


「とりあえず、大丈夫です」


土「そうか。欲しくなったらいつでも言え」


銀「欲しくなる時ねぇから。
あ、このチョコソース追加する?
もっと上手くなるよ?」


「それもとりあえず、大丈夫です」


銀「そ?欲しくなったらいつでも言ってね」



はは、と苦笑いを浮かべるAが
言葉を濁しながら俺に問う。



「土方さん…出張に行かれてたって、」



俺はん、と眼を上げて
不安そうなAの眼に答える。



銀「え?何々?」


土「もう片付いた。ただ、何かあれば連絡しろ」


「はい…」


銀「おま、え、Aちゃんの
連絡先知ってんの?」


「あ、はい。交換させてもらいました」


銀「職権乱用してんじゃねぇぞ!クソマヨ!」


土「あぁ!?立派な公務だわ!クソ天パ!」

距離 : 銀時→←お友達 : 土方



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作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時

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