噂 : 銀時 ページ34
銀「あーー!美味かった!!
…ったく、うるせぇ奴らばっかりで
ごめんね、Aちゃん」
「いえ、すごく楽しかったです。
こんな風に日中、賑やかなことそうないから」
神「え?日中?」
銀「あああああ!そうだそうだ!!
ね、どこか行きたいとこある!?
俺、連れてってあげるよ!??」
「行きたいところ…」
神「そんなに悩まないと
分からないアルか?欲がない女ネ」
銀「お前ぇは欲の塊だかんな」
わたしは、遊園地と海とプールと駄菓子屋と
と底なし沼かのように
行きたいところを上げる神楽の横で、
少しだけ、眉間に皺を寄せ
化粧なんかしなくとも長い睫毛を震わせる、
なんと美しく悩ましい様なんだ!
圧倒的なこの差は何だろうなぁ、と
新八と無言でアイコンタクトを交わす。
「ああ、…映画館?に行ってみたいです」
新「え、行ったことないんですか?」
「ええ。映画館は吉原にはな、」
銀「おっけー!おっけーーー!!
じゃあ、次は映画観に行こっ!なっ!!決定!」
神「なんでさっきから、大声上げるアル!
びっくりするアル!!
今何かアニメ映画やってたアルか?
あの、『昼間の人妻』ってやつは
今やってるけど…」
新「なんでそんな映画知ってるの…。
それにAさんはアニメ映画は見ないでしょ?!
銀さん、よければ大人同士、
ふたりで行って来て下さい!」
銀「は!?い、いいのか!??」
突然の新八のナイスな提案に振り向くと、
新八はアイドル並みのウィンクをかまし
えぇー!と喚く、神楽を宥める。
新「さ!早く行って来て下さい!
時間合わないといいの見れないですよ!」
銀「そ、そうだな!?よし、
Aちゃん、行こう!」
「映画館でいいんですか?
…それにふたりは、」
銀「いいのいいの!
こいつ居たら、アニメになっちまうから!
さ、行くよ!!」
「…っあ!」
新八が神楽を宥めてくれてる間に
さっさと行っちまおうと、
団子代をカッコ良く、でもさり気なく置き
その白く細い手首を掴んで
駆け足で団子屋を出る。
銀「おばちゃん!ご馳走さまね!!」
「あ、銀時さん!わたしのお代がまだ…!」
銀「何言ってんの、
女の子に払わせる訳ないだろ?」
「え、そんな…あ!ご馳走さまでした!」
バタバタバタ…
団「銀さんが…あの銀さんが
ツケどころか、皆の分払って行ったよ…」
神「これはまた町内中、噂になるアル」
新「間違いないね…」
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作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時