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8話 ページ8

練習試合当日。


リコはキレていた。



「あんのクソガキ!!
こんな時に寝坊なんざふざけとんのかゴルァ!!」



海常高校の前でキレ散らかしているリコを、日向たちは宥める。


後藤が寝坊して今から家出ると連絡が来たのだ。


キレたくなるのもわかる。



「仕方無い。彼抜きでやるしかない!行くわよ!」



火神が寝不足らしいが、黄瀬が迎えに来たことで無事体育館まで辿り着いた。


驚くことに、というか舐められたことに、コートは半分。


レギュラー陣の調整ということで、尚且つ黄瀬は出さないと断言された。


その事に更にキレたのは言うまでもないだろう。



だがまぁ、火神のダンクでゴールリングが壊れた。


おかげでコート全体を使えることになり、黄瀬は出ることになる。


いい事なのだが、弁償となったらいくらするのか考えたくないところだ。



第3クォーター半ば頃、後藤が息を切らしながらやって来た。



「遅れました!!」


「こんのアホガキィィィ!」



後藤はリコの飛び蹴りを避けないで受ける。


だが、すぐに起き上がると、ベンチの後ろで横たわる黒子に笑う。



「あっは、どうしたんです彼」


「ちょっともつれたのよ」


「ははっ、面白いですね」


「出れる?」


「駅から走ってきたんで体は温まってますよ」



そのままジャージを脱ぎ出した後藤は、中からユニフォームを着ていた。


本当にいつでも出られるのだろう。



「行ける?」


「行くに決まってます、こんな面白い展開、待ってたんで」



タイミング良くホイッスルが鳴ると、後藤は小金井と交代で中に入った。


その時、黄瀬は目を見開く。



「あいつ」


「知り合いか?」


「生では初めて会うっスけど、ちょっとヤバいっスよ」


「は?」


「あいつは、俺らと同格の選手っス」



その言葉に海常の選手たちは驚く。


なぜなら誰も後藤の存在を知らないからだ。



「あいつの中学時代の唯一の汚点は、帝光じゃなかったこと。
もし同じだったら、俺はキセキの世代って呼ばれてないっス」


「ってことは、お前より強いのか」


「そうっス」



後藤は伊月からパスを受け取ると、黄瀬と向かい合う。



「初めまして、だね。黄瀬涼太くん」


「っスね、後藤Aくん」


「同じ天才同士、頑張ろう」


「は?」


「嘘だろ」



誰もが信じられなかった。


後藤は黄瀬に頑張ろうと言いながら、スリーを簡単に決めたのだから。


気がつけば三点、入っていた。

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美園(プロフ) - 更新ありがとうございます!めっちゃ好きです (1月2日 18時) (レス) @page42 id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!続き待ってます!! (12月27日 10時) (レス) @page41 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
メンヘラ君。(プロフ) - 夢主君かっこいいですね!更新楽しみにしてます!無理せず、がんばってください! (2023年3月31日 22時) (レス) @page10 id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩こんぶ | 作成日時:2023年3月18日 23時

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