21話 ページ21
勝ち進んだ時、ふとバスケを始めたばかりの三人がはしゃぎ出した。
「調子良いっスよね!」
「このまま予選突破して、決勝リーグまで簡単に進めるんじゃないっスか?」
「甘い甘い」
「若いモンは呑気でいいねぇ」
伊月と小金井の一言に、三人が首を傾げると、日向が説明した。
「決勝リーグを経て、選ばれる東京都の代表三校はここ十年同じ。
東の王者秀徳、西の王者泉真館、北の王者正邦。
力が拮抗しているから一位は毎年変わるが、四位以下は寄せ付けない東京不動の三大王者だ。
次の五回戦を勝ち抜いき準決勝へ進み、更に決勝戦。その決勝で俺たちがぶつかる相手は恐らく、キセキの世代緑間真太郎が加入した東の王者秀徳高校」
「……」
「けど、先輩たちも去年決勝リーグまで行ったんですよね」
「ま、手も足も出なかったけどな」
その一言に火神が反応する。
(先輩たちも決して弱くはねぇ。けど、)
「三大王者ね……」
後藤はベンチの後ろで柔軟しながら、話を聞いていると、周りがザワついた。
全員がそこに目を向けた。
「来たみたいだな……」
「口で言うより、実際に目にして見てみるのが一番よね」
そこにはオレンジのジャージが見えた。
「特に一年!覚悟しておきなさい。今日は凄いもん見れるわよ。
今年は特に凄いらしいから」
そう言われて後藤は柔軟をやめて、火神と黒子の後ろに立った。
「東京都三大王者の一角、秀徳高校」
二軍以下から聞こえる秀徳コールと共にやって来た秀徳。
そこに火神が立ち上がった。
「ちょっと挨拶行ってくるっす」
「あぁ……え?」
「嘘でしょ」
二年は焦り、後藤は笑った。
だが、火神が名乗った後、あまり宜しくない雰囲気が流れた。
誠凛は去年、決勝リーグに三大王者とやり合ってトリプルスコアで敗戦したとの事だった。
その事に火神を初めとする一年は驚いていた。
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美園(プロフ) - 更新ありがとうございます!めっちゃ好きです (1月2日 18時) (レス) @page42 id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!続き待ってます!! (12月27日 10時) (レス) @page41 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
メンヘラ君。(プロフ) - 夢主君かっこいいですね!更新楽しみにしてます!無理せず、がんばってください! (2023年3月31日 22時) (レス) @page10 id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩こんぶ | 作成日時:2023年3月18日 23時