3話 ページ3
「今いる二年は全員やったのよ!」
降旗、福田、河原が何か愚痴を零しているが、後藤は腕を組んだまま面白そうに聞いていた。
「さっきも言ったけど、具体的で相当の高さのハードルでね!
一回戦突破とか、頑張るとかはやり直し」
「ヨユーじゃねぇか!」
笑って言い切った火神は真っ先に動き出した。
「テストにもなんねぇ」
手すりに飛び乗った火神はブレない体幹を見せつけた。
「1-B、5番!火神大我!キセキの世代を倒して日本一になる!」
戸惑う生徒たちだが、火神は怖気ることなく戻ってきた。
「次は!?」
「自分が行きますよ」
「うぉっ!」
すれ違った火神は驚いた。
なぜなら先日自分が負かされた相手がここに居たのだから。
後藤も火神に負けじと手すりに飛び乗った。
「1年C組10番、後藤A!強豪校を蹴落として、キセキの世代倒して、無名校の誠凛が優勝してやる!!」
「ふむふむ、良いじゃないの!
さぁ次!急がないと先生来ちゃうよ〜」
それから後藤は笑顔で五人を通り過ぎた。
火神は後藤を気にする。
「お前だったんだな」
「こうやって驚きあった方が面白いでしょ?」
「違ぇねぇや」
後藤は笑うと、先程と同じように出入口付近に戻った。
その方が避難ができるからだ。
何からかは察しろ。
それからというものの、流れは早く、河原の長い長い宣言。
福田の洒落が通じてないお人好し宣言。
降旗の恋愛を賭けた宣言に微笑んでいた後藤。
最後の一人、黒子だったのだが彼は拡声器を持っていた。
「すみません、僕声張るの苦手なんで、これ使っても良いですか?」
「どこから……」
リコと同じこと思ったがそれは置いといて。
いざ黒子が宣言しようとしたその時、タイムアップとなった。
「コラァ!!またかバスケ部!!」
教員がやって来たその時、リコは悔しそうな表情をした。
だが後藤はふふっ、と微笑んだ後、教員に目がいっているのをいい事に、屋上から抜け出した。
「今年は、退屈しなさそうだ」
階段を降りながら後藤は、普段の中性的な声ではなく、低音で聞くからに男性と分かるような声で呟いた。
310人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美園(プロフ) - 更新ありがとうございます!めっちゃ好きです (1月2日 18時) (レス) @page42 id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!続き待ってます!! (12月27日 10時) (レス) @page41 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
メンヘラ君。(プロフ) - 夢主君かっこいいですね!更新楽しみにしてます!無理せず、がんばってください! (2023年3月31日 22時) (レス) @page10 id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:塩こんぶ | 作成日時:2023年3月18日 23時