11話 ページ11
試合には勝った。
後藤はレーンアップからのダンク以来目立ったパフォーマンスはしなかった。
ただ、黒子と同じように中継役になったりしてたので、厄介に変わりはなく。
「お前、練習の時と全然違うのな」
「えー？」
「あんまりバンバン決めもしねぇだろ」
普段の後藤は、火神の言う通りシュートを決めるタイプではない。
確かに点取れるということは分かる。
だが、ここまで派手に動いたことは無い。
だからこそ後藤はあまりパスを貰うことはしないで、自分で決めていた。
「バスケは一人じゃできねぇって言う割に、一人でプレイしているけどな」
その一言に後藤は笑った。
「まさか。
バスケなんて、一人じゃ無理だよ」
「あ？」
「考えてみなよ。
決められた後、外からパス貰うのに、一人じゃ無理でしょ？」
火神は後藤の言葉に目が点になった。
そこまで考えてると思わなかったのだ。
「パスを貰うのって簡単な事だけど、誰かが居なきゃパスは貰えない。
自分から自分にパスするなんてできっこない」
後藤はクールダウンしながら黒子を見つめる。
「彼の影としての覚悟は、かなり違うよ。
鍛え方によってはドライブもシュートもできるけど、彼はパスに特化した選手であり続けている」
「……」
「いつか壁が見えてくるかもしれない。
それでも、彼が目立ってしまっては彼のバスケは死んでしまう」
後藤は悲しげな表情を浮かべて火神を見つめた。
「君だけは、彼のバスケを殺さないであげて」
「あ？」
「パスに特化してみんなの思いを繋げる影は、それを受け取って点を取ってくれる光が必要だからさ」
後藤はバッシュの紐を弛めて立ち上がる。
彼なりのクールダウンが終わったらしい。
「自分が目立たなかった理由は、一人だったからだよ」
後藤はそれだけ言うと、少し離れたリコの元に駆けていった。
その背中を見届けた火神が感じ取ったこととは果たして。
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美園(プロフ) - 更新ありがとうございます！めっちゃ好きです (1月2日 18時) (
レス) @page42 id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！続き待ってます！！ (12月27日 10時) (レス) @page41 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
メンヘラ君。(プロフ) - 夢主君かっこいいですね!更新楽しみにしてます!無理せず、がんばってください! (2023年3月31日 22時) (レス) @page10 id: 49ed8a4d79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩こんぶ | 作成日時：2023年3月18日 23時
