１３話 真相へ 【蔵人】 ページ14
連れて来られたのは警察庁。
まさかの本日二度目。
ただ今は降谷さんに会いたくないな。
多分やばい。俺じゃなくて三浦さんが。
「ここなら平気ですよ。ご両親の事でしょう？」
「ええ、両親は殺されたんですよね？
多分潜入してた先の人に。」
「本当は教えてはいけないんですがね。
教えれば危険が君たちに近くなる。
それでも聞きたいですか？」
「って事は向こうも俺らの事知ってるのか。」
「ご両親は隠してた様ですが。
後任の話だと捜索は続いてると。」
「目立つ事は出来ないか。」
警察が手を焼いてる犯罪組織に、
俺を餌にしたって釣れるのは蜥蜴の尻尾だろうし。
「復讐でもする気ですか？」
「まさか。そんな大それた事出来ない。
ただ真相が知りたくて。
俺は両親の最後を知らない。何も・・知らない。」
ある程度知ってる妹はあの日から変わったし。
昔はもう少し仲が良かった。
きっとあの日何もしなかった俺を恨んでるんだろう。
「俺たちは知らないといけない。
そうじゃないと進めないんだ。」
「私が知ってる限りはお伝えしますが、
後任の、現在潜入してる方の情報は伏せさせて下さい。」
「良いです。教えて下さい。」
「二人は情報屋として潜入していました。
ですがお母上の方から公安のノックだと
露見してしまいました。
当然ペアを組んでたお父上も嫌疑がかかり
『疑わしきは罰する。』と銃殺されました。」
「そこを綾が見てたわけか。」
「はい。ご両親の対応は早かったですよ。
危ない橋を渡ってた自覚があったのでしょう。
露見する前から後任を潜らせてましたから。
二人の機転のお陰で後任が家を処分出来ましたから。」
「お陰でその身１つで放り出されたわけですが。」
「持ち出すより焼却処分の方が早いですから。」
「今命があると思えば安いもんか。」
「後任が子供がいた痕跡は無かったと
頻りに報告しても通らなかったと聞いています。」
「家族まで殺処分とは物騒な組織ですね。」
「彼らは見た目からこう呼ばれています。
『黒ずくめの組織』と。
全身黒一色の人間には不用意に近づかないで下さい。」
「だからか。」
「はい？」
「あの日以来、綾が黒を毛嫌いしてる理由がわかった。」
「私から話せる事はここまでです。」
「助かりました。また何か言えそうなことがあったら
ここに連絡下さい。」
「また待ち伏せすれば良いのでは？
電話は盗聴の恐れがありますから。」
「確かにw」
１４話 知らないふりを 【作哉】→←１２話 都合の悪い事 【蔵人】
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