穏やか×彼氏×狂気= ページ8
: チハル :
「ボクの目?」
家でデート中、お前がボクの目を綺麗だと褒めた。
さっきからじっと見られていると思ったが、目を見ていたのか。
褒めた後もこちらを見つめており、なんだかくすぐったさを感じた。
「ボクの目、好き?」
隣に座るお前と向き合い聞くと、好きだよと返事が来る。
…胸が小さく音を立てた。
真っ直ぐに見つめてくるお前の目は、吸い込まれそうなほどに純粋な目をしていた。
「ボクも、お前の目、好き」
ちゅ、とリップ音を鳴らして瞼の上にキスを落とす。
びっくりしたのか、お前はびくんと肩を震わせた。
「他は?ボクの好きなとこ」
「たとえば…そうだな、手とか」
顔の距離は近いままに、彼女の左手と、ボクの右手を重ねる。
すると、ボクの気持ちにこたえるように、お前はゆっくりと柔らかな動作で指を絡めた。
そのあと、好きだよ。と言い、少し間を開けて大きいねと微笑んだ。
「そりゃ、ボクは男だから。お前より大きいよ」
ぎゅ、と手を握りしめて微笑み返す。
細くて白い指は、これ以上力を入れたら折れてしまいそうだ。
お前はボクの笑みを見てか、照れくさそうに視線をボクの目から下げ、首元に移した。
「じゃあ足は?」
曲げていた足を、彼女のほうに差し出す。
ズボンの裾を上げると、腕より白い肌があらわになる。
お前は握っていない方の手で、そっと足を撫でた。
他の男よりは筋肉がついていない、ちょっと細い足。
美脚だね、と笑ってしまったお前はその後もくすくすと笑う。
「馬鹿にしてるでしょ?」
「…してないっていうなら、笑うのやめてほしいな」
彼女の指先が、くすぐるように足を撫で続ける。
快感のようなものが腰から背筋にかけて走った。
「じゃあ次、うーん…あっ、髪は?」
足を撫でていた手を取り、髪に触れさせる。
そのあと髪と髪の間に指を滑り込ませ、かき混ぜるように撫でさせた。
指先から、ほんのり温かさを感じる。
「お前より、全然柔らかくないけど」
けれどお前は、好きだよ、とくしゃりと髪を撫でた。
(お前に、自覚はあるのかな)
割れ物を扱うような優しい手つきに、頬がだらしなく緩む。
(ボクはAを壊してしまいそうなほどに愛していると)
(お前は、ボクがその好きにどれだけ溺れていると思っているの?)
(どうしてそうも簡単に、ボクの望む言葉を与えるの?)
(そんな優しい愛おしい表情で、好きだなんて言われたら)
(ボクは…)
「ねえ、それなら…」
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林檎麻(プロフ) - お久しぶりです...!!リクエスト受け取ってくれてありがとうございます..!!とっても満足しました!! (2017年11月7日 23時) (レス) id: 5f64ee0b75 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ミユティさん» こちらこそありがとうございました!これからも彼に振り回されてやってください(笑 (2017年11月6日 22時) (レス) id: ccdc96260d (このIDを非表示/違反報告)
ミユティ(プロフ) - 久々の小見川くん、とても良かったです!!!!!良く考えたら小見川君のリクエストはこれで二回目ですね笑リクエストに答えて下さり本当にありがとうございます! (2017年11月6日 21時) (レス) id: ffac928163 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 不雲綺さん» そうだったんですか、全然大丈夫です!これからも更新頑張ってくださいね (2017年11月3日 22時) (レス) id: fd489c71d0 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ももかさん» 申し訳ありません。この作品は今リクエストいただいてるものを書き終えたら更新を一時停止する予定でして…リクエストは受け付けておりません。説明文にリクエスト中止と表記しておらず、申し訳ありませんでした。 (2017年11月2日 18時) (レス) id: d72d593e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:不雲綺 | 作成日時:2017年8月29日 17時