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(もっと、お前が欲しくなってしまう)
一度お前を求めてしまうと、それだけでは満たされず、その後も様々な場所を問うていった。
耳や口、体に声、性格…思いつく場所全てを。
「…好き?」
その答え全てが、好き、だった。
優しい声で、ボクを甘やかすように何度も、何度も何度も何度も、好きと繰り返された。
何度も向けられる好きの言葉に、ボクの胸はどくどく音を立て早くなっていく。
頭の中も、余分なものが溶かされたようにしてお前への欲望で満たされていった。
(Aが、欲しい)
自覚した途端、喉が締め付けられる。
喉の奥から何かが出てきそうな、そんな感覚に襲われた。
「もう一回…」
「もう一回言って、好きだって」
「ボクの全部が好きだって言って」
興奮気味に言葉を並べると、お前は少し驚いた様子を見せたけれど、ふっと笑ってボクの望んだ言葉を口にする。
“チハルの全部が好きだよ”
眩暈が起きるのではないかと思うほどに、その言葉はとろけた脳内に響き渡る。
「……嬉しい」
「ボクも…」
先ほどより、うっとりとした声がボクの口から零れ出る。
「ボクも、お前の全部が好きだよ」
ボクの好きな目には、恍惚的な笑みを浮かべるボクが見えた。
「お前のその、ボクを見てくれる真っ直ぐで純粋で優しい目も」
「ボクよりちょっと小さな手も、白くて細い足も」
「柔らかな頬もいい香りのする髪も唇も耳も鼻も胸も腹も首も声も性格も仕草も、」
「爪の形や歯の一つ一つ、睫毛の一本だって、その体に流れてる血も…ぜんぶ」
「ぜんぶぜーんぶ大好き…」
繋いでいる手を引っ張り、ボクの口元に持っていく。
爪、指、手の甲、手首。
その順番にキスを落とし、手首に唇を触れたままで笑みをこぼす。
「ふふ、」
「もういっそのこと、」
「…壊してしまいたいくらいに…」
その言葉に、ピクリとボクの手の中にある彼女の手が震えた。
逃げないようにと、握る手に力を込める。
「汚れてしまう前に」
「その綺麗なままを残すために」
「他の誰かに奪われてしまう前に」
「ボクの手で、」
「全てを奪い尽くしてしまいたい」
「お前の目も、体も、髪も、お前の全てを」
「ボクだけのものにしてしまいたい」
手首に舌をあて、手の甲まで舌を這わす。
舌の熱が、彼女の手にうつって行くのを感じた。
親指の付け根を、甘噛みする。
(この皮膚も、その下にある血や肉や骨も、一片残らずボクのものにしたい)
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林檎麻(プロフ) - お久しぶりです...!!リクエスト受け取ってくれてありがとうございます..!!とっても満足しました!! (2017年11月7日 23時) (
レス) id: 5f64ee0b75 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ミユティさん» こちらこそありがとうございました！これからも彼に振り回されてやってください(笑 (2017年11月6日 22時) (レス) id: ccdc96260d (このIDを非表示/違反報告)
ミユティ(プロフ) - 久々の小見川くん、とても良かったです!!!!!良く考えたら小見川君のリクエストはこれで二回目ですね笑リクエストに答えて下さり本当にありがとうございます！ (2017年11月6日 21時) (レス) id: ffac928163 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 不雲綺さん» そうだったんですか、全然大丈夫です！これからも更新頑張ってくださいね (2017年11月3日 22時) (レス) id: fd489c71d0 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ももかさん» 申し訳ありません。この作品は今リクエストいただいてるものを書き終えたら更新を一時停止する予定でして…リクエストは受け付けておりません。説明文にリクエスト中止と表記しておらず、申し訳ありませんでした。 (2017年11月2日 18時) (レス) id: d72d593e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：不雲綺
| 作成日時：2017年8月29日 17時
