オネエ×友人×管理・排除= ページ4
: ユウリ :
暗い道を、街灯が照らす。
コンビニの帰り、何を考えるでもなく袋を片手に握りしめながらその道を歩いていた。
…ふと、道の先に人影を見つけると、その背中に目を見開き、彼女に駆け寄る。
「ちょっと」
触れられる距離まで来て、腕を掴んで歩いている彼女の足を無理やり止めた。
「こんな時間に、何してんのよ」
彼女は驚いた声を小さくこぼすと、恐る恐る怯えた表情でこちらを振り返った。
そして声の主がアタシだということを確認すると、ユウちゃん、と呟き驚いたようにアタシを見つめた。
何処か安堵したような表情が向けられて、怒りを抱いていたはずなのにこちらまでほっとしてしまうようだった。
けれど、
「今、何時か知ってる?」
伝染した安堵感を振り払い、彼女を真っ直ぐ見ながら質問をする。
あんたはアタシから目を逸らし、えっと、と言葉を濁らせた。
そのあと、アタシの視線に耐えられなかったのか、おずおずと口を開く。
「そうね、もうすぐ夜の10時よ」
「女の子がこんな時間に、何処で、誰と、何をしていたの?」
心配から来る感情のせいで、思わず声が低くなる。
「この時間、この道が暗いことは分かっているでしょう?」
「その道を一人で歩くなんて危険だと思わないの?」
「いいえ、この道だけじゃないわ」
「夜は危ないのよ、分かっ、て…」
「…あっ」
彼女が表情や体を強ばらせたのを見て、ハッと我に返り、怯えさせているのだと気付く。
ひんやりとしたものが背筋を撫でた。
慌てて彼女の腕を掴んでいた手を離す。
「ごめんなさい。急に…」
「お、驚いたでしょう…?」
「ああ、夜は危ないだなんて言っておきながら、自分が脅かしてどうすんのよ…しかも挨拶もなしに説教なんて…」
「びっくりしたわよね、怖かったわよね」
「あの、別にそんな気は全然なかったのよ?」
「ただ、あんたがこんな時間に暗い道を一人で歩いてるからアタシもびっくりしちゃって」
まだ言葉は続くはずだったのだが、それをあんたが止める。
分かったからと、大丈夫だよと焦るアタシを落ち着かせるように優しく笑って。
その表情にキュンときながら、わざと大袈裟に深呼吸をする。
「大丈夫、落ち着いたわ」
「…ふぅ、今帰りなのよね?女の子一人じゃ危ないわ。家まで送って行ってあげる」
「いいのよ、遠慮しないで」
「それより…」
「ごめんなさいね、取り乱したりなんかして……格好悪いところ見せちゃったわ」
111人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
林檎麻(プロフ) - お久しぶりです...!!リクエスト受け取ってくれてありがとうございます..!!とっても満足しました!! (2017年11月7日 23時) (レス) id: 5f64ee0b75 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ミユティさん» こちらこそありがとうございました!これからも彼に振り回されてやってください(笑 (2017年11月6日 22時) (レス) id: ccdc96260d (このIDを非表示/違反報告)
ミユティ(プロフ) - 久々の小見川くん、とても良かったです!!!!!良く考えたら小見川君のリクエストはこれで二回目ですね笑リクエストに答えて下さり本当にありがとうございます! (2017年11月6日 21時) (レス) id: ffac928163 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 不雲綺さん» そうだったんですか、全然大丈夫です!これからも更新頑張ってくださいね (2017年11月3日 22時) (レス) id: fd489c71d0 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - ももかさん» 申し訳ありません。この作品は今リクエストいただいてるものを書き終えたら更新を一時停止する予定でして…リクエストは受け付けておりません。説明文にリクエスト中止と表記しておらず、申し訳ありませんでした。 (2017年11月2日 18時) (レス) id: d72d593e93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:不雲綺 | 作成日時:2017年8月29日 17時