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…27… ページ29










「Aは鼻血出てるしよ」


「これで一勝一敗だな」


「待て、これは次男に止められたんだ。曇の一勝にはならん。引き分けだ」


「話聞いてんのかオイ」



三男が次男に報告をしたらしい

今説教中だ

正座は慣れているが、説教は嫌なので部屋に戻ってくつろぎたい。



「…む」


「どうした、A」



まだ生暖かい血が垂れているような気がしたので、拭きながら声を出すと

次男も呆れたように疑問の声を出した

…しかし呆れは一瞬

次男の顔は緊張が走ったように歪んだ



「うわっ、何で急にそんな血が出るんだよ!?待ってろ、手拭い持ってくる!!」



鼻をおさえた指と指の間から大量の血が流れ始める

次男が慌ただしくこの場を去ってから

次第に、なにかがこみ上げて…。



「げほ…っ」


「空丸!!!手拭い一枚じゃ足らねぇ!!」



咳きこんだとき

口からも血が出る

どばっと。


…どこも痛くないのに。


曇までもが焦りだした時からか

慌ただしさは、どんどん加速して

神社では荒々しい足音だらけになる。



「Aさん、どうしたんすか!?」


「俺、先生呼んでくるよ」



その証拠に、他の二人もそう焦ったような顔で走ってきては

次男の言うとおりに動いたり

先生を呼びに言ったりと走って去った。


…先生とは何のことだろうか


…あれ

大変だ

意識が遠のく


…遠のくと言う事に、抵抗できるはずがなく

そのまま曇にもたれて目を瞑った。













で、自分の中の感覚では、すぐに目が覚めた



「…じーさん」



布団に横になっているようで

視界の隅には正座をして座っている曇と、先生とやらが見えた。

…知っている。

自分はこの人を知っている。


…しかし

目を薄っすらを開けた瞬間に、電撃でも走ったかのような痛みが体中を襲う

激痛はその一瞬だったが

じわじわと痛みが増していく



「…は…っ…はぁっ」



…目に違和感

腕が痛い

足が痛い


…。


ふと、部屋にいる全員の目が

顔が確認できた


ぞくぞくと、寒気が背中を這う


怯えるような

痛々しいとでも思っているような目


こちらが何か悪い事でもしたか?

こちらの姿がそんなに醜いか?

醜いと嫌うのか?

人間でなくとも、一緒に居られると思っていたが

…外見の問題か?


傷を隠していたことに憤りでも覚えているのか?


――何でそんな目で見る?


アイツ等みたいに

お前達も振るうのか


暴力を

暴言を。

…2…8→←…26…



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明都 - 妖狐、悩んでますね……景光達との再会があるのか、気になるところです。 (2015年2月21日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 手合せは比良裏乱入して来たら私得です…(笑) (2015年2月14日 14時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続き読みました♪景光と妖狐の手合わせ……どちらが強かったんだろう?そして、ほのぼのな感じが良かったです。景光と妖狐達の再会はないのかな?続き楽しみです♪ (2015年2月14日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 餌付けです。簡単についていっちゃいますよ~(笑) (2015年2月8日 0時) (レス) id: 3c3d70d76d (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続きも素敵です♪景光さんに餌付けされたのね(笑)逃げてきたぽこも、可愛かったです!続き楽しみにしてます。 (2015年2月7日 13時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:不雲綺 | 作成日時:2014年9月19日 19時

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