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「雨が止んだぞ、曇」
「おう…」
牡丹に、疑問の言葉を吐くことなく
雨が止んでしまい、あいつは帰ってしまった。
この不思議な気持ちを振り払おうと、曇に街へ出かけるための言葉を吐いた
しかし
こいつは自室でゴロゴロとしていた
…行く気はゼロか
「ふむ…次男」
襖を閉めて、次男の所へ向かう
…と
「諦め早ぇな!!!」
曇が閉めた襖を勢いよく開けて
大声を上げた
「あぁ、曇。寝ているのかと思ったぞ」
「完璧に目開いてただろ!?」
「…そうだったかもな」
「うん、俺とお前、目があってたからな」
ただの構ってちゃんなのだろうか?
そう思いつつ
曇を背に歩きはじめる
「何処行くのかなぁ?」
ぎこちない笑みで、こちらの肩を掴み引きとめる
「…どこと言われても。次男の所だが?」
「俺と街行くんじゃねぇの?」
「曇は寝ていただろう?」
曇が言葉を詰まらせたとき
荒々しい足音と、「天兄」と叫んでいる声が聞こえた
「三男がお前を呼んでいるぞ」
「お前は俺が呼んでる」
「曇のは大した用件はないだ、ろ゛…」
どん、と衝撃というか
曇の体にぶつかった後、こちらは曇の下敷きに
…何が起こった。
…曇にぶつかって、下敷きに?
どういう事だ
…し、しかし
苦しいぞ…お、重い…。
「ち…宙太郎…突進してくんのやめろ…」
「おいらが掃除したら床がツルツルになったっす!!」
「おう…滑ってきたからな…察してはいた…」
あぁ、三男が曇に突進して
それに対して、構えていなかった曇がこちらに倒れてきたのか
それで下敷きになっているという…
うつ伏せになっている自分の上に、あおむけで倒れてる曇
…曇、こんなに重いのか…?
「天兄、褒めて!!」
「…の前にお兄ちゃんの上から退こうかぁ…?」
…。
ほ、ほう…
曇の上にまた三男がいるのか…。
―――!?
「お゛…おい…上で何が起きている…?」
いきなり、重さというか
苦しさが増した。
恐る恐る、とでもなく
普通に聞くと
曇の少し疲れている声
「…宙太郎が俺の上ですこぉし暴れてる」
待て待て待て
ただ乗っかっているだけで苦しいと言うのに
アイツは暴れているのか
…
……
………
「お、おい!?A!?」
「え゛っ!?…あああああっ!!天兄の下敷きになってるAさんがぁぁああっ!!」
今の自分に効果音でもつけるとすると
チーン
だ。多分。
「死ぬな!!!」
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明都 - 妖狐、悩んでますね……景光達との再会があるのか、気になるところです。 (2015年2月21日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 手合せは比良裏乱入して来たら私得です…(笑) (2015年2月14日 14時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続き読みました♪景光と妖狐の手合わせ……どちらが強かったんだろう?そして、ほのぼのな感じが良かったです。景光と妖狐達の再会はないのかな?続き楽しみです♪ (2015年2月14日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 餌付けです。簡単についていっちゃいますよ~(笑) (2015年2月8日 0時) (レス) id: 3c3d70d76d (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続きも素敵です♪景光さんに餌付けされたのね(笑)逃げてきたぽこも、可愛かったです!続き楽しみにしてます。 (2015年2月7日 13時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:不雲綺 | 作成日時:2014年9月19日 19時