夢の扉が開いたようです (ページ9)

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door 9 ページ9

～としみつside～

話を聞いていると、旅行で北海道に来たらしい

もう会うこともないんだろうな…

「じゃあ、バイバイ！」

てつやがそう言って出口に向かう

俺もその後をついていくように出口に向かった

車に乗り込むと

「としみつ、元気だしなよ？」と、虫さんに言われた

「え、あぁ別にそんなに落ち込んでないよ？」

「そうなの？ならいいけどさ～」

「え、それマジで言ってる？」

と、想像もしていなかった言葉を発したのはてつやだった

「俺さ、名前も聞いてあげたし、隣の席にも座らせてあげたじゃん。それだけでいいの？」

「てつや？」

「多分さ、ここで終わったらもう二度と会えなくない？」

「そりゃそうだろうけど、相手は何回かしか見たことないと言っても視聴者さんだよ？」

虫さんがてつやに反論する

「そんなのいいじゃん。としみついいの？連絡先くらい聞いてこいよ」

てつや……、そんなに俺のこと考えてくれてたのか…

「…ちょっと、行ってくるわ！」

そう言って車から降り、店に入った

ーーーーー

「行っちゃったじゃん。としみつ」

「虫さん、マジでとしみつとあの子のこと反対してんの？」

「いやぁ…いい子だと思うけどさ…」

YouTuberと視聴者

そこには大きな壁がある

虫眼鏡が躊躇してしまうのも、てつやには分かる

「俺だってさ、視聴者さんってなるとちょっとやばいなとは思うよ？すごくいい子なら安心だけど、すぐネットに色んなこと書き込んだり、連絡先をバラしたり…いろんなYouTuberからそういう問題聞いたことあるし。でもあのとしみつの顔見た？」

「…見た…」

「あんな顔してたらさぁ、そんなこと考えてるより応援したくなるじゃん」

「それはめっちゃ分かる」

あんな顔初めて見た

としみつは気づいてないかもしれないけど、としみつがあの子を見てる顔はすごく

「「幸せそうだったよなぁ…」」

「くっつけばいいのにね。あの2人」

「いやぁ～、くっつくまで長そう。てか、あの子に彼氏いるかもってのもあるよね」

「そうじゃん…それ問題じゃん……。まぁ、それはおいおい考えてこ。とりあえず、としみつ頑張れ～」

2人は、カフェの方を見ながらそう呟いた