side黄:動け鼓動 ページ47
黄ちゃんが刑事なら百人力だよねぇ…なんて笑うAの姿は…6年前の何時かの姿だ。
爆弾事件に遭遇して、萩原さんと宙吊りになっても“捻挫”だけですんで基本的には無傷。
その4年後。また爆弾事件に巻き込まれたけど自力で観覧車のゴンドラから脱出…背中に火傷の跡が残ると言われても悲しい顔は愚か満面の笑みで“名誉の勲章”でしょ？と笑い飛ばした彼女。
変な所で男前で…
「なぎ！！！！」
「はッい…？！」
夢現、無理矢理身体を起す。
Aの座右の銘は“死んでもくたばらない親友”になり掛けているそんな時だ…
ヒロさんに叩き起され、その姿を認識して血の気が引いた。
「な…、え……？ま、ヒロさん…？」
血塗れの服、必死な形相のヒロさん…
“何か遭ったんだ”
「Aが階段を踏み外したんだ…！」
頭を…殴られた様な話
「意識がない、額も深く切ってる上に脈も弱いッさっきゼロに連絡したからもう迎えにくる！」
そんなヒロさんの言葉に、真っ白な頭の中でも頷く
先日のAとの会話が過ぎる
─────どうせ熱自体軽い奴だから…
分かんないわよ？…風邪だって油断出来ないんだから…─────
ヒロさんの指示の元、額を切って血の気のないAの傍で声を掛け応急手当をする。頭になんらかの損傷があるとも分からない。
だから余り頭を動かさずに
「A…！もう直ぐ迎え、病院にいけるから…ッ！」
ねぇA…貴女裕也さん遺して逝かないよね…？
私達を置いて、逝かないよね？
「まだ、何もかも始めたばかりよね？！起きなさい…貴女の座右の銘は死なないじゃなかった…！？」
目を開けなさい…起きなさいッ！
「あんたの“一生のお願いをあんたが破って”どうするの…！！！？」
昨日より冷たい手
脈も弱い
血の気がない…所じゃないッ
まさか
Aの左胸に耳を当てる
「なんで、動いてないのッ…」
ヒロさん、A息してないッ！！！
叫ぶ様にヒロさんを呼び付け、心肺蘇生をヒロさん中心に試みる。
「起きろ、起きるの…！」
Aの力のない手を握る…この手を絶対に離したくない。
バンッと玄関の扉を荒々しく開けたのは降谷さんだ…後ろに裕也さんも居る
「ヒロ！「まだ…戻ってきてない！」だがッ！」
諦められる訳、ないだろ…！？
ヒロさんが叫んだ
泣きながら
「死なせられるかよ…」
戻ってこい…ッ！
“おかえり、二人とも”
掌を掴む僅かな体温…微かにAの声が響き渡った
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瑠衣(プロフ) - とても面白くて大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年4月16日 20時) (
レス) id: 44c29d146e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：喜怒哀楽は見切り発車
| 作成日時：2019年11月15日 16時
