深紅の君に…10

EP262 ページ12

TOが明け洛山からの攻撃を止めれば同点

ここは絶対に止める！

ドリブルを突くカレは…さっきとは雰囲気が違う？

まさか…そんな事ある訳ない

カレが言ってた

『彼が出てくる事は2度とない』と

大我が前に出て止めにいくがかわされる

後ろにはテツ君がいる！

これでもう一度…

　シュッ

鮮やかに実渕さんにパスを出し3Pが決まる

……

あのパスを何度見てきたか分からない

何度も目に焼き付けて

何度も描いては直して

たくさん…たくさん描いたから確信した

貴「…征…君」

持ってたノートが床に落ちた

彼の動きに見惚れてしまう

小金「落ちたよAちゃん…？

え！？ど、どうしたの！？泣いてる！？」

貴「え？…あ」

小金井さんに言われて目元を触ると濡れていた

貴「すみません…あの…動揺…してます」

リ「…なぜ？」

貴「…征君だからです彼が」

全「！！」

貴「多分テツ君も気付いてます」

テツ君が少しみんなと話してる

リ「Aちゃん悪いけどもう少し詳しく話してくれる？

貴方が言う征君？に豹変してから

洛山は調子を取り戻しているけどウチも負けていない

けど…胸騒ぎがするのよ」

貴「征君のパスは完璧なパスなんです

パスを貰う相手に合わせて出してます」

リ「確かに…完璧なパスを貰えば完璧なリズムが作れるわね」

貴「気持ち良くプレイできるように

パスをしてると言ってもいいです

！！まさかコレが…」

征君以外の選手を観察するとすぐ分かった

全員レベルアップしてるのが

貴「征君の力…それは味方のポテンシャルを

限界まで引き出す…」

小金「そんな…ゾーンなんて"キセキの世代"や

火神クラス…限られた天才しか入れない筈じゃ…」

リ「…そうよだから完全な全員ゾーンとは少し違うわ

人間が本来80%程度しか出せない実力を

100%引き出すのがゾーン…

けど彼以外は90%前後

いわばゾーン1歩手前だわ」

カントクの言う通り1人1人ポテンシャルが

上がってるせいでプレッシャーやスティールの精度が格段に違う

大我が止めにいくがボールに届かずアリウープを決められた

残り2分半で7点差

貴「！！大我っ！」

膝をついたまま立ち上がらない大我のスタミナは

限界にきている

小金「マズイ…ゾーンも切れた

火神完全にガス欠…」

リ「くっ…」

カントクも打つ手を考えているようだが

TOももう使えない

私に何か…出来ないの？

声を出すくらいしか思いつかない…

声援が…みんなに届いて欲しい…どうか…

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