Episode7-3 我慢 ページ29
「怖いって?」
視線を、魔法についての本から私に切り替えたロビンさん。
「ロビンさん、あなたは『アミちゃんは一人でも戦えるように、強くなろうとしている』っておっしゃいましたよね。
私、それが怖いんです。アミちゃんが、私を頼ってくれなくなっちゃうかも……私のもとから消えてしまいそうで」
そんなの身勝手だ、わがままだって知ってるけど、私はアミちゃんに必要とされたい。ずっと、ね……。
「解るよその気持ち。大切な子が自分のもとから離れていくって、怖いよね……。
だけど本当に大切な子だったら、その子の願いを、頼りたくないという願いを、叶えてやりたいと思う。
だからたとえ自分が怖くても、アミーゼ嬢の思いをくみ取るべきだと思うんだ」
ロビンさんの言う通りだ。アミちゃんが頼らないことを望んでいるんだから、私はアミちゃんを甘やかしてはいけない。アミちゃんのために我慢しないと。
「「あ……っ!?」」
しばらく経って、私とロビンさんは同じタイミングで声を発した。
何か、嫌な予感が……。これが、魔物の気配……?
「Aさんも感じたみたいだね。そうだよ、魔物が近くにいる。きっとさっきアミーゼ嬢が倒した魔物の仲間が仇を討とうとしているんだ」
《こいつの言う通り、魔物は秘密基地のすぐ近くにいる。
……にしても、あんたも魔物の気配を察知することができるようになるとはね》
アリアドネが感心してくれたらしい。まだ、魔物の場所までは把握できないけど。
「Aさん、俺と一緒に来てくれるかな」
「もちろんです。魔物を放っておくわけにはいきません。でも……」
ベッドの上でまだ辛そうな表情をしているアミちゃんに目を向ける。
アミちゃんを一人にしていいものなのか。
「アミーゼ嬢は大丈夫。きっと彼女だってあなたと同じで、魔物を放っておけないはず。さっさと倒してすぐ戻ろう」
すぐ戻ってくるからね……。心の中でアミちゃんに優しく告げて、部屋を後にした。
玄関から飛び出してきて、神岡神社の表に出る。
「それで、どこに魔物が…………っ!?」
聞かなくても分かった。目の前に巨大な人型の魔物がいる。
「トライグか……これはまた、厄介な」
どうやらトライグという魔物らしい。
「Aさん、トライグの足に『エアー・キャノン』を当ててくれないかな?
その後に俺が、バランスを崩したトライグにこの剣でダメージを与えるから」
ロビンさんの指示に従って、『エアー・キャノン』を放つ。
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頂志桜(サム)(プロフ) - 怪盗ゆかりんさん» ありがとうございます!地道に、頑張っていきますね! (2016年8月24日 12時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗ゆかりん - とても良いと思いますよ。オリジナル物では大体ファンタジーじゃない恋愛系が多いのでとても良いと思います。なので頑張ってください。 (2016年8月24日 11時) (レス) id: 9e404a3c93 (このIDを非表示/違反報告)
らむ音(プロフ) - 頂志桜さん» じゃあ、オリジナルで! (2016年2月11日 14時) (レス) id: 38cad45099 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» オリジナルのほうがいいかなーと。どうでしょうか (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» 敬語なのはなんとなく……です。普通のほうがいいかな……? (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年1月25日 1時