兄の日記７ ページ7
.
さあA、手を出して。
そう告げるディオに従って利き手を差し出す。
掌上に渡されたのは
「薬？」
「そうだ。コレを父さんに盛るんだ。」
その言葉を聞いて私は一体どんな表情をしていたのだろう。
困惑、慄然、戸惑、薬を受け取る私の体は震えていた。
「ディ…ディオ、」
「？」
「あのさ、やっ……やっぱ」
「"やっぱり無理だ"なんて言わないよな？」
ディオの手が私の肩を掴む。
圧迫される肩には痛みが走り顔が歪む。離して、と、ディオに視線を向けて目が合った瞬間、私は彼の表情に息をのんだ。
「お前のためを思って言ってる事だぜ？」
目を剥き笑う彼の表情は、
私の決断を強固とするに十分な衝撃を与えた。
「大丈夫だ、A」
私の頬に片手を添えて、彼は告げる。
この薬は絶対に何があってもバレはしない。
お前と俺を咎める奴なんて現れはしない。
心配するな。
恐れるな。
大丈夫…大丈夫……だから、
「できるよな？」
ディオの声が耳を掠める。
ディオの瞳が蛇のように心を締める。
「うん。できるよ。」
私は言った。
ディオは「そうか。」とだけ呟くと、私の体を抱き締めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：KAWAKAWA x他1人 | 作成日時：2022年7月28日 12時
