22話 思い出 ページ22
リヴァイさんはその思い出をとても優しい表情で話した
窓の陽だまりでも浴びながら、
穏やかに物語を聞かせるみたいに
そんな彼をみていると、心が温かくなった
最初は少し不愛想に見えてた、けど
この間だってきっと、
一人輪に入れない私を気遣って話しかけに来てくれた
その場で気が付けない私はまだまだ未熟だ
「Aは?なぜこの紅茶が一番なんだ」
『私ですか?リヴァイさんみたいに素敵な話はできませんよ』
「どんなでもいい」
彼は腕時計を外して、胸ポケットにしまった
『私は、、この紅茶を飲むといい夢を見られる気がして
寝るときに見る方の夢です』
「へぇ覚えてるのか?」
『全然、でも目覚めが良くて、
それから少し嬉しいんです、朝から
だから素敵な夢を見たんじゃないかって』
「今日のは覚えといてくれ
それで次会った時きかせろ」
『えぇ?今まで覚えてたことないんですよ?』
「起きたらすぐメモしろ、適当でいいから」
そう言って彼はポケットから出した綺麗な黒革の手帳の
後ろの方のメモ書きのページをぱっとちぎって渡してきた
そこまでされたら、なにも書かないわけにはいかない
『頑張ってみますけど...わかんないですよ?』
「あぁ期待しないでおく」
私は受け取った紙を大事にポケットにしまった
『あっリヴァイさんの、その大切な人って
誰なんです?彼女さんですか?』
一瞬彼は考えるようなそぶりを見せた
それを聞かれるとは思ってなかったらしい
私もまずいことを訊いてしまったかも、と身構えた
「...今俺の隣に、はいない、けど元気にやってる」
『そうですか、』
少々言葉に迷ったような言い方だったが、
表情が穏やかだったのでほっとした
しかし、その中にある憂いを帯びた瞳から
また目が離せなくなった
その目は、紅茶の水面を見ているのに
まるで自分に向けられているように胸を突いた
彼の瞳にはいつもそう感じる
ぱっと彼がこちらに顔を上げたのでつい焦った
「Aの大切な人は?」
『私の、大切な人は...友人たちです
エレン達みんな、大好きなので』
「そうか、よかったな
良い友人を持って」
彼は慣れたようにクシャッと私の頭を撫でた
それが妙に鼓動を乱した
頭を撫でられることも、そうないせいなのか
彼が年の離れた大人だったせいか、わからない
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レイ(プロフ) - 最高です!更新頑張ってください (2019年9月30日 21時) (レス) id: c196ca2279 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナツキ | 作成日時:2019年9月16日 17時